TTBはワシントン州の新しいAVA「Beverly(ベヴァリー)」(正式名称は「Beverly, Washington」)を承認しました。ワシントン州では21番目のAVAとなります(州内が17、オレゴンと共有が3、アイダホと共有が1)。ちなみにオレゴンは24(州内20、ワシントンと共有が3、アイダホと共有が1)、カリフォルニアは154あります。オレゴン、ワシントンはなんとか全部を覚えられるレベルですね。カリフォルニアは全然無理です。

Beverly

ベヴァリーはワシントン州内ではかなり小さなAVAとなります。地図で示したようにロイヤルスロープAVAの西南のはずれになります。ロイヤルスロープはチャールズ・スミスのKヴィントナーズのフラッグシップ・シラー「ロイヤル・シティ」の畑がある地域です。AVA名にスロープと入っている通り、AVA全体が南向けの斜面になっています。

ベヴァリーも同様に南向き斜面で、ロイヤルスロープと比べても温暖、というかかなり暑いエリアとなります。積算温度でいうと3500度ということで、ウィンクラーのインデックスではリージョン3とリージョン4の間くらいとなります。ワシントン州内では最も暑いAVAの一つです。

もう一つの特徴が風の強さ。ベヴァリーはコロンビア川のすぐそばにあり、このすぐ南に「センティネル・ギャップ」という渓谷があります。このせまい谷を通り抜ける風がAVAに吹きつけるのです。

3つめの特徴は水はけのよさ。

気温の高さから、この地域ではほぼ黒ブドウだけが栽培されています。ただ、ここに拠点を置くワイナリーなどはいまのところないようです。総面積2415エーカーのうち400エーカーほどがブドウ畑です。降水量は年間130㎜ほどとワシントンでもかなり少なく、乾燥した地域です。