ナパで日本版「サイドウェイズ」のプレミア上映が行われ,助演の菊池凛子や監督のグラック氏が挨拶に登場しました。「カリフォルニア ワイントピア」の著者であるW Blake Gray氏のレポートによると,どうしてDarioushやFrog's Leapなどのワイナリを撮影場所として選んだのかという質問に,監督は他のワイナリが非協力てきだったことを挙げたそうです。

オリジナルの「Sideways」では主役のMilesが"I'm not drinking any fucking Merlot."と叫ぶシーンがあります。これをきっかけにMerlotの消費は落ち込み,Pinot Noirのブームが始まりました。ほとんどのワイナリでMerlotを作っているナパでは,いまだにこれへの拒絶反応が強く,いくら今回の日本版ではそのシーンがないことを説明しても聞く耳を持ってくれなかったそうです。ワイナリによっては1日当たり2万ドルの撮影費を要求したというから大変なものです。米国版の4分の1ほどの予算で作っている映画であり,当然そのような要求にはこたえられなかったとのことです。

Gray氏は記事の最後で次のように述べています。

"Don't you want Japanese tourists? They're polite, they spend money and they're brand loyal."
The Gray Market Report: Most Napa wineries say no to Japanese


Opus Oneがいまだに売れ続けているように,日本人のブランド・ロイヤルティは確かに高いものがありそうです。ナパのワイナリが今後一層親日になることを期待したいと思います。