ナパは30年後にはプレミアム・ワインの産地から脱落するかもしれないと,スタンフォード大学の研究者が発表しています(Napa 'unsuitable' for premium wine in 30 years: study)。

その研究ではサンタ・バーバラ,ナパ,オレゴンのYamhill,ワシントンのWalla Wallaの気候変動を調べています。結果として2040年には半分以上の地域がプレミアムワイン用のぶどう作りに向かなくなる一方で,オレゴンやワシントンの一部の地域は,よりよい条件になってくるとのことです。

条件としては2040年までに温室ガスが23%増えることを想定しています。その結果地球の気温が平均1℃上がるとしています。

そのとき,上記の四つのエリアでも平均気温が上がると同時に摂氏35℃を超えるような「猛暑日」も増えます。ナパでは気温が1.1℃,猛暑日が10日増え,不適合な地域が増えるとのことです。

サンタ・バーバラではワイン作りに適した地域が20%減り,ワシントンのコロンビア・ヴァレーでも30%減ります。一方でオレゴンのウィラメット・ヴァレーではワイン作りに適した地域が増える見込みだといいます。

研究の著者によると,生産者は,45日の猛暑日にも耐えるような品種を選択するか,枝の伐採,灌漑などで樹の温度を下げる工夫をしなければいけなくなるだろう,とのことです。