杉本隆英さんのシャトー・イガイタカハのワインメーカーであるグレッグ・ブリュワーが、イガイタカハのフラグシップである「侍」(シャルドネ)と「園」(ピノ・ノワール)について語る動画が公開されました。


シャトー・イガイタカハのワインには、ラベルに漢字を使った漢字シリーズと、家紋をあしらった家紋シリーズの大きく2種類がありますが、グレッグ・ブリュワーは漢字シリーズのワインを作っています。基本的にサンタ・リタ・ヒルズにあるブリュワー・クリフトンと共通の自社畑のブドウを使っています。

ラベルの漢字は杉本さんの奥様美代子さんによるもの。ただし「侍」だけは隆英さんの字を使っています。また、ラベルは上部が白、下部がグレーになっていますが、実は単に上下を分けているのではなく、このラインはサンタ・リタ・ヒルズの背骨ともいえる246号線を表現しているのだそうです。

動画では言及されていませんが、漢字ラベルは元々グレッグ個人のプロジェクトだったダイアトムのために作ったものでした。グレッグが2012年でダイアトムを終了したため、イガイタカハに移管することになりました。そういう意味でも、この漢字シリーズはサンタ・リタ・ヒルズを代表するワインメーカーであるグレッグ・ブリュワーの一番ピュアなワインだと言えるでしょう(グレッグの他のプロジェクトであるブリュワー・クリフトンにはもうひとりのワインメーカーであるスティーブ・クリフトンがいますし、メルヴィルは雇われワインメーカー)。

動画でグレッグは、漢字ラベルのそれぞれのワインにエモーションがあり、それを表現するようなクローンを選んでいると言っています。「侍」の場合、侍の歴史と精神、モチベーションを表現すべく2つのクローンを使っています。1つはクローン4で、こちらはシャープな味わいをもたらします。もう1つはクローン76で、こちらは暖かさや気持ちの豊かさを表現しています。

「園」はクローン37だけを使ったワイン。クローン37は暖かさや優しさを表現するとともに、パワーもあり、ピュアな味わいもあります。なお、クローン37はメリー・エドワーズ・セレクションと呼ばれているクローンで、著名ワインメーカーのメリー・エドワーズがマウント・エデンのワインメーカーだったときに、UC Davisに枝を提供して広げたクローンです。

なお、この動画の完成を記念して、侍と園のセットが通常より2000円安い1万5000円になっています。8月末までの限定。なお、Vinousのアントニオ・ガッローニは侍に93点、園には94点という高い評価をしています。