大手ワイン会社のコンステレーション・ブランズが、サンタ・リタ・ヒルズの人気ワイナリー「シー・スモーク(Sea Smoke)」を買収しました。
シー・スモーク

シー・スモークはハンドヘルドのポーカーゲーム機などで財をなしたボブ・デイビッズが1998年に創設したワイナリー。

2003年のピノ・ノワール「Ten」がWine Advocate誌で96点を取り、メルヴィルやブリュワー・クリフトンなどと並んで、サンタ・リタ・ヒルズのピノ・ノワールのトップクラスに躍り出ました。映画「Sideways」によるサンタ・バーバラとピノ・ノワールの人気にも乗り、入手困難銘柄になりました。ワインメーカーのクリス・キュランは2003年にワイン・スペクテーターの記事で単独で取り上げられ、2005年にはSFクロニクルのワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、シー・スモークの顔として人気が高まりました。
Kris

2008年にクリス・キュランがやめてから、人気は沈静化した気がします。当時のシー・スモークは濃厚なスタイルでしたが、2010年代にはニュー・カリフォルニアのムーブメントで濃厚スタイルのピノが時代遅れな印象になっていったこともあり、話題の上ることも減りました。ちなみにクリス・キュランはその後、夫とダルフォンソ・キュランというワイナリーをやっています。

とはいえ、ヴィナスで2018年のピノ・ノワール「テン」が95点を取るなど、近年のワインも再び高評価を得ています。

コンステレーションは256エーカーの畑やワイナリー、在庫やブランドなどを購入しました。買収価格は公開されていません。

コンステレーションは近年はプレミアム指向を強めており、ナパのシュレーダー・セラーズなどのウルトラプレミアムなワイナリーも傘下に収めています。これまで、サンタ・バーバラは比較的大手ワイナリーの進出が少ない感じがありましたが、それも変わっていきそうです。