最後は、IPOBのコア・メンバーだったジャスミン・ハーシュと、ラジャ・パーからの回答です。

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ジャスミン・ハーシュさんへのインタビュー

――IPOBが解散すると聞いて、日本のカリフォルニア・ワインファンの中には、驚き、がっかりした人もいる。IPOBは失敗だったと思った人もいる。
それはとても残念だ。私たちはとても前向きに決定をしたのだが、それが誤解されてしまった結果だと思う。

――私自身はIPOBが失敗だったとは思わないが、やめるのは早過ぎるのではないかと感じている。「バランス」についての議論はまだ始まったばかりだ。
議論がまだ進行中であるという点については同意する。しかし、私たちはこの議論を別の形で続けていく潮時だろうと信じている。

――IPOBは成功したと言えるか。
人々が買い、飲むワインの傾向に変化が起きた。その一部はIPOBの活動の成果ではないかと思う。もちろん、ほかにも要因はあるし、何よりもワイナリーが作るワインが変わって来ていることが最も重要ではあるが。

――どうして今がIPOBをやめるタイミングだと考えたのか。
IPOBを始めたときは、バランスについて広く一般的に議論するといったことは起こってなかった。バランスやワイン作りのスタイルについての議論をワイン・コミュニティの最前線に持ち込んだということで、意図したことは達成できた。この議論はカリフォルニアだけでなく世界で続くであろうし、終わることはない。私たちは調子がいい間に終了したかったし、ここ1年で行った世界でのIPOBのイベントのインパクトは私達のメッセージが業界内だけでなく、消費者にも届いてきたことを示している。バランスやワインが生まれた土地について、ディナーの席で語り合うことは世界中のカリフォルニアワインについての議論の中で共通になってきている。

――この5年の間に、「バランス」が取れたワインを飲む人は増えたか
間違いなく。

――あなたにとってIPOBの目的は何だったか。
IPOBによってカリフォルニアワインにおけるバランスの意味と重要性について議論を変えていくことだった。IPOBによってそれはとてもいい方向に変わったと信じている。