コルギン vs. ムートン、ダナ、コングスガード どれが一番おいしい?
2年ぶりに、コルギンのポール・ロバーツ氏によるセミナーに参加しました(前回は「バッド・ヴィンテージこそ底力を感じたコルギンの試飲会」、前々回は「Colginのセミナーで計16万5000円のワインを試飲」)。過去のセミナーがコルギンのワインの中で、水平、あるいは垂直で試飲するものだったのに対し、今回は他のワイナリーのワインと比べてみようというのが趣旨です。
ワインは試飲した順に
・コルギン カリアド 2012
・シャトー・ムートン・ロートシルト 2012
・ダナ・エステート カベルネ・ソーヴィニヨン ヘルムス・ヴィンヤード 2012
・コルギン IX Estate(ナンバー・ナイン・エステート) 2012
・コングスガード シラー 2013
・コルギン IX Estate シラー 2012
コルギンのカリアドは青系の果実味が印象的なワイン。極めてスムーズ。ポール・ロバーツは「横に広がる感じがする」と言っていましたが、なんとなく分かるものの、説明するのが難しいところです。
ムートンは熟成肉のような香りが特徴的。こういう香りはカリフォルニアワインではかいだことがありません。珍重する人が多いのはわかる気がします。味わいは酸が強く、やや痩せた感じもありました。ふくよかなコルギンの後なので、そう感じたのかもしれませんが。
ダナ・エステートは、比較的タンニンが強く、がっしりとしたワイン。いわゆるラザフォード・ダストと呼ばれるような、土っぽさやスパイシーさもあります。
コルギンのナンバー・ナイン・エステートは赤系の果実位と青系の果実味、酸が高いレベルで調和したワイン。余韻の長さもすばらしい。ポール・ロバーツは「奥に広がる感じがする」とのこと。個人的には、今日のベストです。
コングスガードのシラーはパワフルだけれども、冷涼さも感じるワイン。青系の果実にスパイス。バランスがいい。これまたすごいワイン。
最後はコルギンのシラー。花の香り、青系の果実。タンニンは少なく、丸みを感じるワイン。これも非常にいいが、個人的にはコングスガードのシラーに1票をあげたい。いや、でもやっぱり甲乙つけがたいかも。どちらも素晴らしいシラーでした。
試飲して感じたのはコルギンの3本がいずれも非常に丸い印象で、ふくよかかつ、バランスがとれ、タンニンが少なめだったこと。これは良年と言われる2012年の特徴のようです。ポール・ロバーツ氏によると2012年はジューシー、2013年は黒系の果実が強くがっしりとしたワイン、2014年は2012年と2013年の中間的。2015年は豊穣。2016年は非常にすばらしいそうです。
また、カベルネ系の4本ではコルギンの2本はカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が6割程度、ムートンは90%、ダナは100%となっています。ムートンとダナによりがっしりした印象があったのは品種構成の違いも大きいかもしれません。
シラーの2本について、ポール・ロバーツ氏は、クローンが共通していることを挙げていました。カリフォルニアのシラーではオーストラリアのバロッサ・ヴァレーからのクローンを植えることが多いのですが、ちょっとおおざっぱな味になる傾向があるそうです。コルギンとコングスガードはローヌ(エルミタージュ、コート・ロティ)系のクローンを植えているとのこと。それが、パワフルかつ繊細な味わいにつながっているそうです。
2012年の親しみやすさを、いい印象でとらえるか、やや凡庸なワインになっていると捉えるかは人によって違いがあるかもしれません。個人的には若いときからスムーズにおいしく飲めるのはいいと思います。ただ、熟成にはそれほど向かないかもしれません。ちなみにロバート・パーカーはカリアドを98点、IX Estateを99点、シラーを99点と非常に高く評価しています。なお、ムートンは94点、ダナは96点、コングスガードは98点でした。
このほか、今回ポール・ロバーツ氏が強調していたのは「テクスチャ」という言葉。例えば前日に、天ぷらやではまぐりの天ぷらを食べたところ、白ワインよりも、ターリーのプチ・シラーが絶妙にマッチしたとのこと。これははまぐりのテクスチャ(噛みごたえ、といった感じでしょうか)とプチ・シラーのテクスチャが近いからだとのことです。
また、もう1つこだわっていたのが、畑の斜面の向き。コルギンでは強すぎるワインができるのを避けるために東か北に向いた斜面だけを使うとのこと。実際、ナパの東側の丘にあるナンバー・ナイン・エステートの畑もやや東側に傾いている特徴的な地形です。
ワインは試飲した順に
・コルギン カリアド 2012
・シャトー・ムートン・ロートシルト 2012
・ダナ・エステート カベルネ・ソーヴィニヨン ヘルムス・ヴィンヤード 2012
・コルギン IX Estate(ナンバー・ナイン・エステート) 2012
・コングスガード シラー 2013
・コルギン IX Estate シラー 2012
コルギンのカリアドは青系の果実味が印象的なワイン。極めてスムーズ。ポール・ロバーツは「横に広がる感じがする」と言っていましたが、なんとなく分かるものの、説明するのが難しいところです。
ムートンは熟成肉のような香りが特徴的。こういう香りはカリフォルニアワインではかいだことがありません。珍重する人が多いのはわかる気がします。味わいは酸が強く、やや痩せた感じもありました。ふくよかなコルギンの後なので、そう感じたのかもしれませんが。
ダナ・エステートは、比較的タンニンが強く、がっしりとしたワイン。いわゆるラザフォード・ダストと呼ばれるような、土っぽさやスパイシーさもあります。
コルギンのナンバー・ナイン・エステートは赤系の果実位と青系の果実味、酸が高いレベルで調和したワイン。余韻の長さもすばらしい。ポール・ロバーツは「奥に広がる感じがする」とのこと。個人的には、今日のベストです。
コングスガードのシラーはパワフルだけれども、冷涼さも感じるワイン。青系の果実にスパイス。バランスがいい。これまたすごいワイン。
最後はコルギンのシラー。花の香り、青系の果実。タンニンは少なく、丸みを感じるワイン。これも非常にいいが、個人的にはコングスガードのシラーに1票をあげたい。いや、でもやっぱり甲乙つけがたいかも。どちらも素晴らしいシラーでした。
試飲して感じたのはコルギンの3本がいずれも非常に丸い印象で、ふくよかかつ、バランスがとれ、タンニンが少なめだったこと。これは良年と言われる2012年の特徴のようです。ポール・ロバーツ氏によると2012年はジューシー、2013年は黒系の果実が強くがっしりとしたワイン、2014年は2012年と2013年の中間的。2015年は豊穣。2016年は非常にすばらしいそうです。
また、カベルネ系の4本ではコルギンの2本はカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が6割程度、ムートンは90%、ダナは100%となっています。ムートンとダナによりがっしりした印象があったのは品種構成の違いも大きいかもしれません。
シラーの2本について、ポール・ロバーツ氏は、クローンが共通していることを挙げていました。カリフォルニアのシラーではオーストラリアのバロッサ・ヴァレーからのクローンを植えることが多いのですが、ちょっとおおざっぱな味になる傾向があるそうです。コルギンとコングスガードはローヌ(エルミタージュ、コート・ロティ)系のクローンを植えているとのこと。それが、パワフルかつ繊細な味わいにつながっているそうです。
2012年の親しみやすさを、いい印象でとらえるか、やや凡庸なワインになっていると捉えるかは人によって違いがあるかもしれません。個人的には若いときからスムーズにおいしく飲めるのはいいと思います。ただ、熟成にはそれほど向かないかもしれません。ちなみにロバート・パーカーはカリアドを98点、IX Estateを99点、シラーを99点と非常に高く評価しています。なお、ムートンは94点、ダナは96点、コングスガードは98点でした。
このほか、今回ポール・ロバーツ氏が強調していたのは「テクスチャ」という言葉。例えば前日に、天ぷらやではまぐりの天ぷらを食べたところ、白ワインよりも、ターリーのプチ・シラーが絶妙にマッチしたとのこと。これははまぐりのテクスチャ(噛みごたえ、といった感じでしょうか)とプチ・シラーのテクスチャが近いからだとのことです。
また、もう1つこだわっていたのが、畑の斜面の向き。コルギンでは強すぎるワインができるのを避けるために東か北に向いた斜面だけを使うとのこと。実際、ナパの東側の丘にあるナンバー・ナイン・エステートの畑もやや東側に傾いている特徴的な地形です。