世界を揺るがしたワインの大偽造事件を引き起こしたルディ・クルニアワン。彼が偽造したワインは、未だに600億円以上の市場価値をもって、出回っているという試算結果が出ています($550m worth of Kurniawan counterfeit wines being ‘resold over and over again’)。

ルディ・クルニアワンの偽造ワインについては、過去何回か記事に書いているので、そちらをご覧ください。
3分でわかるルディ・クルニアワン「ワイン偽造」事件
懲役10年の判決が出たワイン偽造事件
ルディ・クルニアワンの偽造ワインは破壊、一部はオークションで売られる
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クルニアワインは2002年から2012年に逮捕されるまでの間、毎月100万ドル以上の偽造ワインを売っていました。10年間で1億5000万ドルに上ると推計されます。当時と比べて、現在の市場価値は4倍程度になっているということから、少なくとも5億5000万ドルには相当するだろうというのが、今回の試算の内容です。

過去の試算では、ワインのセカンダリー・マーケット市場が150億ドルあるうち、偽造ワインは約2割の30億ドルを占めるとされています。

日本では、セカンダリー・マーケット(基本的にはオークションのこと)はあまり大きくないような気がしますが、世界ではこんなことになっているのが現状です。

オーパス・ワンのように、偽造対策に力を入れているワイナリーもありますが(オーパス・ワン再発見、そのブランドは伊達じゃない)、これは少数派。高級ワインの生産者のうち、偽造対策をしているのは29%に過ぎないそうです。