ナパの中でも非常に高額のワインを手がけるブライアント・ファミリーが元財務コンサルタントから契約不履行で訴えられ、その訴状からワイナリーに財務的な問題があることが浮かび上がってきました(Bryant Family Vineyards facing serious financial accusations in federal court | Wine Industry Insight)。

訴えたのはローレン・ライデンアワーという人で、元JPモーガン・チェース。2014年から個人としてブライアント・ファミリーの財務コンサルタントをしていました。

ライデンアワーは2015年に「ドナルドL.ブライアント・アート・トラスト」という信託のために1億ドルのローンをJPモーガンから得るよう依頼されました。9ヶ月の交渉で300万ドル以上の利子を節約したとのこと。

このローンが2019年4月に満期になる前に、2018年に再交渉するよう依頼を受けたライデンアワーは、銀行に提出するためにワイナリーの財務状況のデータを依頼、それに偽りがあったとライデンアワーは主張しています。

それによると、ワイナリーは過去3年で売上が40%落ちており1400万ドル分もの在庫を抱えているとのこと。これは約3万1000本に相当します。ローンの文書には年間の売上は600万~700万ドルとありましたが、実際には250万ドルにとどまっているそうです。

ライデンアワーがこれらを修正するよう依頼したところ、それを断って、契約も解除したことで今回の提訴につながたとのことです。

ブライアントというと21世紀初頭にはワインメーカーだったヘレン・ターリーとの訴訟もありました。まだ何が本当なのかわかりませんが、ワイナリーには様々な意味で傷を残しそうな訴訟です。