カリフォルニア大学デーヴィス校(UCデーヴィス)はカリフォルニア州食糧農業局(CDFA)にピアス病(ピアス氏病)に耐性を持つブドウ品種5つを開発したと報告しました(New PD-Resistant Wine Grape Varieties Named and Released)。5つの品種は特許を申請中で、それが認められて正式に名前が付いたらCDFA Grapevine Registration and Certification Programに参加しているナーサリーに卸して販売されるようになります。

ピアス病はブドウを枯れ死させる病気で、シャープシューターと呼ばれるヨコバイ科の昆虫によって媒介されて伝染ります。特効薬はなく、テメキュラ・ヴァレーでは60%のブドウが死ぬなど多くの被害があり2000年ころから対策が研究されています。現在はナーサリーでシャープシューター(特に飛翔力が高いガラス羽シャープシューター)の卵が付いていないかを1本1本厳しくチェックして蔓延を防いでいます。

Homalodisca vitripennis - Glassy-winged sharpshooter

今回開発されたブドウは、ヴィティス・アンゾニカというブドウ品種と、ワインで一般に使われているヴィティス・ヴィニフィラ種をかけ合わせて作られています。何世代もの掛け合わせによって、ヴィティス・ヴィニフィラを97%にまで高めて、ワイン用として優れたものにしました。

赤ワインのブドウが3種と白ワインのブドウが2種あり、それぞれ以下のような比率となっています。
Camminare Noir—50% Petite Sirah, 25% Cabernet Sauvignon
Paseante Noir—50% Zinfandel, 25% Petite Sirah, 12.5% Cabernet Sauvignon
Errante Noir—50% Sylvaner, 12.5% Cabernet Sauvignon, 12.5% Carignane, 12.5% Chardonnay
Ambulo Blanc—62.5% Cabernet Sauvignon, 12.5% Carignane, 12.5% Chardonnay
Caminante Blanc—62.5% Cabernet Sauvignon, 12.5% Chardonnay, 12.5% Carignane