Twitterの中高年の知り合いが集まった「お達者クラブ」、北は青森、南は福岡からの参加で、思い出したかのようにときどきオンラインで、皆で同じワインを飲むワイン会をしています。今回からは若い女性も2人「介護役」として参加しました。
メンバーなどは安ワイン道場の「2022年6月:稽古日誌」に載っておりますのでここでは割愛。

今回はテーマワインを選んだのは私。選んだのは「オッド・ロット レッド・ブレンド 2019」です。


このワイン、プティ・シラーとプティ・ヴェルドのブレンドというちょっと珍しい(ほかにもありますが)構成。2000円台と比較的リーズナブルな価格で果実味豊か。ジューシーさをしっかりとした酸とタンニンが支えて、甘ったるい仕上がりにはなっていないところもいいワインです。

これを選んだ一番の理由は、プティ・シラーが中心であること。

カリフォルニアらしいブドウ品種というとジンファンデルを思い浮かべる人が多いと思いますが、ジンファンデルはイタリアのプリミディーボと同じ品種であることが判明しており、イタリアでプリミディーボのワインは結構作られているので、実はカリフォルニアの専売特許というわけでもありません。一方、プティ・シラーはシラーとプールサン (Peloursin)という品種を交配したもので、正式名称はデュリフ(Durif、開発した人の名前から取ったもの)。19世紀にフランスで作られた品種ですが、今はカリフォルニア以外ではごくごく少量しか作られていません。また、プティ・シラーは非常に色が濃く、タンニンも酸も豊富な品種で、昔から「歯を紫に染める」ワイン(日本でいうとお歯黒ですね)とも言われていました。そういう意味でも、ジンファンデル以上にカリフォルニア的なブドウではないかと思って選んだわけです。

また、このワインを作っている「シャイド・ファミリー」はモントレーのブドウ畑の約1割を持つ栽培家であり、近年は様々なコスパブランドで名を馳せています。畑はすべてサスティナブル、有機栽培認証も取ろうとしています。モントレーという産地や、シャイドのことも知ってほしいという気持ちで選んだワインです。

介護役の二人が、このワインでなく「カベルネ・ソーヴィニヨン+シラー」のもうひとつのオッド・ロットのワインを買ってしまったというお笑いの一幕もありましたが、せっかくの機会なので、上記のような話も勝手にプレゼンさせていただきました。

カベルネ・ソーヴィニヨン+シラーのワインについてはこちら(コミックのラベルが楽しいユニークなブレンド第2段、味もあなどるなかれ)。

ラベルもユニークでかわいいので、個人的にも気のおけない友人へのプレゼントなどに使わせていただいているワインです。