ワインのセカンダリー市場のマーケットプレイスとして知られているLiv-Exがボルドーのネゴシアン「ラ・プラス・ドゥ・ボルドー」で流通するワインが増えていることに、記事を書いています(La Place de Bordeaux and the expanding fine wine market - Liv-ex)。

ラ・プラス・ドゥ・ボルドーはボルドーの「ネゴシアン」と一般に言われていますが、実際には300を超えるネゴシアンの集合体です。また、ボルドーのワインだけを扱っているように見えますが、そうではありません。春にはボルドーのプリムールを販売するのが主ですが、秋にはボルドー以外のワインの扱いがメインになります。

ラプラス

秋の扱いは1998年にアルマビーバで始まりました。オーパス・ワンも比較的初期から参加しており、ラ・プラスで流通するワインの代表格であり、成功例になっています。現在は100を超えるブランドがラ・プラスを使っており、米国も30近くになります(表以外にはオレゴンのボー・フレールがあります)。なお、国別ではイタリアが圧倒的に多くのブランドをラ・プラス経由にしています。米国は2番め。

ラ・プラス経由でワインを流通するメリットの一つは170カ国を超える国にネットワークを持てること。普通ならリーチが難しいニッチなマーケットに強いネゴシアンもおり、ワインの販売先は広くなります。また、現在のところラ・プラス・ドゥ・ボルドーでワインを流通させること自体がワイナリーにとってのプレステージという面もあります。一方、ネゴシアンにとってもボルドー・ワイン一辺倒でなくなるというメリットがあり、双方にとってプラスの面が目立つことからワイナリー数も増えているのです。

ただ、すべてのワインが成功しているわけではありません。ラ・プラス経由にしてから価格が下がってしまったワインもあります。例えばピーター・マイケルのレ・パボ(Les Pavots)がその一つです。ここに出せばオートマチックに成功できるというほど単純ではないのです。

功罪あるラ・プラスの利用ですが、現状では功の方に魅力を感じている生産者が多いと思います。ブランド増加傾向がこれからもしばらくは続きそうです。もうじき始まる秋の流通で価格がどうなっていくかに多くの人が注目しています。