ワイン蔵Tokyoの試飲会から残りのワイナリーを紹介します。

ソノマのカーネロスにあるドナム(Donum)はカーネロスのソノマ側を代表するワイナリー。以前、輸入されていた時期もありましたが、しばらく見ておらず、久々の復活です。

ドナムは2001年にドイツ出身のアン・モラー・ラッケが設立したワイナリーで2006年にPinot Reportのライジングスターに選ばれるなど、カーネロスのソノマ側の代表的ワイナリーになりました。ワイナリーや畑には様々なアート作品が展示してあることでも知られています。
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ドナムではピノ・ノワールを17種、シャルドネを6種も作っていますが、今回輸入されるのはワイナリーの一番メインのワインであるカーネロスの自社畑のシャルドネ2021(14500円)とピノ・ノワール(17000円)です。いずれも有機栽培で土着酵母を使用。樽は吟味を重ねたものを使っています。

シャルドネは上品な樽感があります。酸が高くかんきつ系の香りがありますが味わってみるとトロピカルフルーツのフレーバーもあり複雑で高級感のあるシャルドネです。
ピノ・ノワールは柔らかな酸味で、熟度の高い赤果実と少し黒果実も感じます。軽くトーストの香り、土っぽさもあります。これも複雑でいいワイン。


最後はダオ(Daou)。レバノンからの移民のダオ兄弟がパソ・ロブレスで作るワイン。パソ・ロブレスの中では比較的海に近く標高の高いアデレード・ヒルズに畑を作り、今やパソ・ロブレスのトップワイナリーとして、特にカベルネ・ソーヴィニヨンが高く評価されています。中でもフラッグシップの「ソウル・オブ・ア・ライオン(Soul of a Lion)」は数年前に初めて試飲したときにその美味しさとシルキーなテクスチャーに驚いたワインです。

写真の左から紹介します。
ソーヴィニヨン・ブラン2022(4200円)は、明るく華やかなワイン。ステンレスタンクタイプのすっきりとした味わいで、グレープフルーツにハーブのニュアンスが加わります。
シャルドネ2022(4360円)は果実味が爆発するような味わい。軽い樽の風味が全体を引き締めます。これはこの価格帯のシャルドネとしては素晴らしいと思います。
次はリザーブのシャルドネ2021(7500円)。レギュラーのシャルドネと比べ、樽の風味がしっかりと感じられます。クラシックなスタイルのシャルドネ。
次はレギュラータイプのカベルネ・ソーヴィニヨン2021(5750円)。
甘やかな果実味が印象的ですが、酸もしっかりあってエレガントさも感じられます。ハーブやスパイスの風味もありこの価格帯としては複雑さのあるカベルネ・ソーヴィニヨン。とてもいいです。
リザーブのカベルネ・ソーヴィニヨン2021(1万円)は、レギュラータイプよりもパワフルなワイン。チョコレートのようなリッチで濃密な味わい。高級感があります。
最後は2020年のソウル・オブ・ア・ライオン(2万8000円)。前述のフラッグシップのカベルネです。2020年は10周年記念で例年とラベルの色が異なっています。
リッチで複雑なカベルネ・ソーヴィニヨンで、エレガントさと少し甘やかさもあります。いいワインですが、個人的な意見としては例年のソウル・オブ・ア・ライオンと比べるとちょっと魅力が弱い気がします。

以上、3回にわけて報告しましたが、個人的には特に最初に紹介したSLOコーストの白ワイン専業「カドレ」が面白かったです。