繰り返しになりますが、年に1度のセントラル・コースト特集。さらには、Wine Advocate誌のカリフォルニア担当がAntonio Galloniに代わって最初の特集でもあります。

100点が付いたワインはなく、98点がSine Qua Non Dangerous Birds Syrah 2007とSaxum James Berry Vineyard Proprietary Red 2009の2本でした。96点以上に入ったワイナリではRidge、Alban、Varner、Tablas Creekがほかにありました。日本でも最近評価が高いMount EdenのEstate Chardonnay 2008も95点となかなかの高得点。Neely Chardonnay Holly's Cuvee 2009も95点。

特筆するポイントは三つ。VarnerとRidge、それからAu Bon Climatです。

ちょっとわかりにくいのですが、VarnerとNeelyは同じワイナリで、ポジティブセレクションでいいものを選んだのがNeelyになっているとのことです。また、VarnerとNeelyが自社畑なのに対し、購入したブドウで作っている低価格なラインがFoxglove。こちらも今回カベルネ・ソヴィニョンの2009が89点、シャルドネの2010が90点と、高得点です。Antonio Galloniは「Foxgloveの2つのワインを試飲して吹き飛ばされた。Varnerは間違いなく魔法の手を持っている。これらはコスト・パフォーマンスのいいワインの中では世界でも最良だ」と言っています。Varner、Neely、Foxgloveは今後も注目高そうです。

RidgeではMonte Belloの2008年が97+だったのに加え、Lytton Springs 2009が95点、Geyserville 2009が94点、Chardonnay 2009とChardonney Monte Bello 2008が95点など、高得点が連発しました。Lytton Springs、Geyservilleともに飲み頃を2029年までと長熟型に評価したのも、Parker時代にはなかったこと(ParkerもLytton Springs 2008が2020年までなど、Zinfandel系としては異例に長熟型に評価していましたが)。なお、ChardonnayのMonte Belloは2009年は作られず、すべてのブドウがEstateに入ったとのこと。柳屋はこれを今回一番の目玉と評していました。

最後にAu Bon Climatは2008 Isabelleが93点。あまり高くなく思うかもしれませんが、Wine Advocate誌とは相性が悪いのか、これまでこのワインで90点以上ついたことはありませんでした。これもかすかな変化と思ったところ。