Wine Advocate誌が209号を発表しました。カリフォルニアではナパのレビューが含まれています。例年は12月にナパの評価が出ていましたが、どうしたのでしょう?

多くのワイナリが秋に新ヴィンテージを売り出しますから、年末にかけて一番ワインが売れる時期に、既に評価が出ているというのは、販売上は歓迎なのだろうと思います。

さて、今回のレビューはもちろんロバート・パーカーによるもの。過去2ヴィンテージ、アントニオ・ガッローニの評価だったことを考慮してか、2010~2012の3ヴィンテージにわたったレビューが載っています。その結果、1469本の評価と、例年の1000本程度に比べても圧倒的なボリュームになりました。

評価を見ると、かなりの大盤振る舞い系。新たに12本の100点ワインが登場しています。意外な名前はあまりありませんが、あまり聞いたことがなかったワイナリや、カベルネ・ソヴィニョン以外のワインもあります。

100点12本のうち2009年が1つ(Hundred AcreのDeep Time)、2011年が1つ(Bevan CellarsのTin Box)。残りは10本は2010年です。

まずは馴染みのある名前から紹介します。

Spottswoodeは初の100点。99点だった2007年以降は日本への入荷がほとんどなくなってしまったのが残念なワインです。ガッローニの95+という評価から大幅アップ。

Dominusも初の100点。1994、2002、2008と3回の99点がありましたが、ついに100点です。これもガッローニの96+から大幅アップ。このあたりがガッローニとパーカーのテイストの違いでしょうか。日本における最新ヴィンテージがまだ2007なのは不思議なところです。

Shafer Hillside Selectは2001~2003以来の100点。このワインも日本に入ってくるときは意外と安いのですが、入荷状況がまばらなのが気になるところ。このヴィンテージは入ってくるのでしょうか。これもガッローニの95-97から大きく上がっています。

おそらく今回の一番のサプライズがTurnbull。Fortuna Vineyardが100点です。定価75ドルという安さのワインです。ほかにもPerra Vineyardが98点、Fortunaのメルローが95点。Turnbullは過去の最高評価が94点でしたから、今頃ワイナリは大騒ぎでしょう。買うなら今のうち、と言いたいところですが、残念ながら日本に入っているのはほとんどがOld Bull。今回の評価対象外でした。

Colginは一挙3本100点。IX Estate(ナンバー・ナイン・エステート)とIXのシラー、そしてCariad。先日試飲したIX Estateが入っています(残り2つは2009ヴィンテージでした)。確かにこれは、試飲時にもひときわおいしいワインでした。

後は名前だけ紹介。Screaming Eagleは97、2007に続く3回め。Hundred Acreは今回2本めのFew and Far Between。HallのExzellenzも初100点。Hallもこの畑は日本未入荷です。

100点以外の話は後日報告します。