「Zinfandelのゴッドファーザー」と呼ばれるRavenswoodのジョエル・ピーターソンがThe Drink Businessのインタビューに答えて、過去30年におけるジンファンデルのスタイルの変遷について語っています(Zin style moves back to balance)。

かつてジャグ・ワイン程度のクオリティのものしかなかったジンファンデルは、1970年代にフレンチ・オークを使ったアルコール度数12.5~14%のヨーロッパスタイルになっていきました。

1970年代末にはアマドール・カウンティなどからアルコール度数が16%を超えるようなワインが出てきましたが、その後RavenswoodやRidgeといった中庸のものに移って行きます。

しかし、1990年代なかばにTurley Wine Cellarsが登場し、樽を過剰に使い、アルコール度数が高く残糖もあるワインにロバート・パーカーが高得点を付けるようになります。

このような「フルーツ爆弾」的なワインは食事には合わせにくいものでした。

2009年以降、そういったスタイルからの変化が生じました。理由は2つ。1つは2010年2011年と涼しい年が続いて自然とアルコール度数が下がったこと、もう1つはジンファンデルは必ずしも甘くてアルコール度数が高いものでなくてもいいと考える新世代のワインメーカーが出てきたこと。

現在は、一部に根強いファンがいる濃いワインも残るものの、Turleyも含めてバランスの取れたスタイルのワインが増えているようです。

なお、これらにはジョエル・ピーターソンの私見的なところも多分にありそうです。例えば新世代のワインメーカーというのはジョエル・ピーターソンの息子であるBedrock Wineのモーガン・トウェイン・ピーターソンを意識しているのでしょう。

Ravenswoodのキャッチフレーズといえば「No Wimpy Wine」。軟弱なワインは作らないという宣言から、濃いワイン専門のように受け取られがちですが、意外とバランスを重視していることも分かりました。