第二のフィロキセラになるのではないかと恐れられたピアス氏病に、ついに特効薬ができるかもしれません。細菌に観戦するウイルス「ファージ」を使った対処法の実験が始まっています(Experimental Solution to Pierce's Disease)。

ピアス氏病は1990年代からカリフォルニアでも広がったブドウの病気で、ガラス羽シャープシューター(GWSS)という昆虫が媒介します。南カリフォルニアのテメキュラではこの病気のせいで、多くのブドウ畑が壊滅してしまいました。

Homalodisca vitripennis - Glassy-winged sharpshooter

この病気が恐ろしいのは感染したブドウを治す方法がないこと。これまではGWSSが広がらないように、苗木屋などで木を1本1本チェックしてGWSSの成虫や卵がないかどうかを調べることで感染の拡大を防いできました。

また、ピアス氏病に耐性を持つ接ぎ木用の根の開発も進んでいますが、まだ実験段階です。

今回の新たなアプローチはGWSSではなく、病気を起こす細菌そのものをなんとかしようというものです。

細菌に感染するウイルスを一般にファージ(正式にはバクテリオファージ)といいます。今回はピアス氏病を引き起こすファージを4種類使って細菌の活動を抑制させます。これまでの実験では、ピアス氏病に感染した木にこのファージを与えたところ、細菌の数は減ったそうです。

ルートストックやこういったアプローチがうまくいくことを期待します。