ナパで最高の畑と言えば、まず間違いなく誰もが思うのがトカロン(ToKalon)でしょう。シュレーダーなど様々なワイナリーが、この畑から「パーカー100点」のワインを作っています。トカロンは正確にはロバート・モンダヴィが持つトカロンと、ナパ最大の地主であるアンディ・ベクストファーが持つベクストファー・トカロンがあり、モンダヴィ以外のワイナリーで作られているものは後者の畑のものです。

その、ナパでも伝説の人物となっているアンディ・ベクストファーが現在売り出し中なのがレイク(Lake)郡にあるアンバー・ノールズ(Amber Knolls)という畑です。それについての詳しい記事がSFクロニクルに掲載されていました(Legendary grape grower betting Lake County will be the next Wine Country - San Francisco Chronicle)。
Andy Beckstoffer
アンディ・ベクストファーの畑はナパではブドウの価格が高いことでも知られています。彼の値付け方は普通とは違っており、1トン当たりの価格を最終的なワインのボトル価格から決めます。一番高い畑ではボトル価格の175倍としています。例えばワインが200ドルであれば1トンが3万5000ドル。また、最低価格は1万7500ドルとなり、ナパの平均の5800ドルを大きく上回ります。

その彼が、今回のレイク郡の畑では、無料でブドウを帝京大するというのです。

具体的には次のようなプログラムとなっています。

まず、このブドウでワインを作りたいワイナリーは、その旨申し込みます。その中から10のワイナリーを選び、1エーカー分のブドウを3年間提供します。

アンディ・ベクストファーはこのプログラムを通して、高評価されるワインが出てくることを期待しています。もし複数のワイナリーが高得点を得れば、畑自体の名声も高まるでしょう。

ワシントン州のGramercy Cellarsなど、既にこのプログラムに名乗りを挙げているワイナリーもあります。

数年後、ここのワインがどうなるのか注目です。