メルヴィル/サムサラのチャド・メルヴィルがピノを語る
メルヴィル(Melville)の創設者Ron Melvilleの息子で、Greg Brewerの退任によってメルヴィルのワインメーカーになったチャド・メルヴィル(Chad Melville)のセミナーに参加しました。チャドはメルヴィルのほかに夫婦でサムサラ(Samsara)というワイナリーも営んでおり、両方のピノ・ノワールを解説しました。なお、チャドのメルヴィル・ワインメーカー就任に伴い、メルヴィルの日本のインポーターは、サムサラを扱っていたアイコニック ワイン・ジャパンになりました。
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セミナーは、完成したメルヴィルやサムサラのワインを飲むのではなく、バレル・サンプルを中心に、土壌や除梗の有無、クローンの違いといったものを味わうという構成。メルヴィル4種とサムサラ5種が提供されました。
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まず、メルヴィルでは土壌の違いをみました。ワインはどれも2015年、収穫してから半年も経っていないものです。
メルヴィルのあるサンタ・リタ・ヒルズは、かつては海底だったところ。現在は砂や粘土の土壌が中心になっています。
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まず最初に試飲したAnna'sというブロックは砂が中心のところ。一方、2番めの「M」というブロックは粘土質です。どちらもクローンは114で、33%除梗していないブドウを使っています。どちらもラズベリーなどの赤い果実の風味にブルーベリーのような紫の果実の風味がありますが、粘土質の「M」の方がよりパワフルで、タンニンもかなりきつくなっています。一般に粘土質の方が男性的なワインができるとのこと。また、サンタ・リタ・ヒルズは2月下旬に芽吹いて、収穫時期は10月に入ることが多いことから、生育期間が非常に長く、それがダークなフルーツの風味に現れてくるそうです。
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次に、除梗の有無による違いを見ます。
3番めと4番めのワインは「Sandy's」の2015年。土壌は砂で、クローンは37という、あまり一般的ではないですが、サンタ・リタ・ヒルズでは近年人気が上がっているというクローン。3番めは完全に除梗、4番めは100%ホール・クラスター(除梗していない)でした。
3番めは明るく親しみやすい味わい。やや軽めです。4番めはフルボディでタンニンもかなり強くスパイシー。これほども違うのかという味わいでした。
ピノ・ノワールで除梗しないのはかなりリスキーなので、カリフォルニアで実践しているワイナリーはあまり多くありません(サンタ・リタ・ヒルズではブリュワー・クリフトンが100%ホール・クラスターです)。チャドはここにかなりこだわりを持っており、生育期間の長さが、茎の成熟にもつながるので、それを活かすためにもホール・クラスターを積極的に使っていきたい意向のようです。
なお、メルヴィルでは、ブロックごとに別々に醸造して樽熟させていますが、ブロックによって、ここはホール・クラスター、ここは除梗、といった違いをもたせているそうです。経験で、このブロックは茎が完全に熟すのでホール・クラスターにしてよい、とか、このブロックは未熟な茎が残るので除梗しないといけない、といった区別が付くとのこと。また、ブドウの実の周りの葉を取り去ってブドウにしっかり日が当たるようにするといった手間をかけていることも、ホール・クラスターには必要だそうです。チャドの知り合いのワインメーカーが畑を見に来て、その徹底さに驚いたほどだとか。
さて、ワインは後半のサムサラに移ります。
すべて自社畑のメルヴィルに対し、サムサラは購入したブドウだけを使っています。また、メルヴィルとの違いとしてはサムサラは天然酵母を使っているとのこと。低温で発酵させてじっくりと風味を引き出しているようです。
まずはカルガサッキ(Cargasacchi)の2013年と2014年を比較します。2014年はバレル・サンプル。2013年はボトリング済みですが、さらに1年寝かせてから出荷するとのことで、まだ市場には出ていないワイン。2013年は40%ホール・クラスターで2014年は70%ホール・クラスター。
どちらも、ダークなフルーツの風味が強く、パワフルでタンニンもしっかりしたピノ・ノワール。個人的には2014年のカルガサッキはすごいワインになりそうな気がしました。パワフルなだけでなく、明るい陽性の風味もあり、非常にポテンシャルのあるワイン。まだ市場に出てくるまで2年あるのでこれからどう成長するのかわかりませんが、極めて興味深いワインでした。
最後の3つはラサマナス(Las Hermanas)という畑のもので、クローンの違いを見ます。3番めは2013年でクローン115とポマールのブレンド、4番めと5番めは2014年。4番めはクローン115のみで5番はポマールのみ。
3番めは親しみやすい味わい。この日のワインの中では軽めですが、スパイスも感じます。4番めは複雑みを感じます。スパイシーで果実味よりも熟成した味わいが楽しみな感じ。5番めは明るく華やかなワイン。ぱあっと味わいが広がる感じがします。
4番で使っているクローン115はDijon系のクローンの中でも人気が高く、これ1つでブレンのしなくてもワインの完成度が高くなるというもの。ちなみにカルガサッキもすべて115です。確かに115は完成度高いかもしれませんが、ブレンドによる面白さも感じた試飲でした。
メルヴィルのワインはこれまでも何度も飲んだことがありますが、実はサムサラは初めて。今回のは完成したワインではないので、そのまま評価はできないでしょうが、メルヴィルに負けない美味しさのワインだと思いました。特に2014年はいろいろ楽しみな感じがします。先日のシャトー・イガイタカハの試飲でも感じましたが、サンタ・リタ・ヒルズの2014年は、非常にいいヴィンテージだった2013年よりもさらに美味しいかもしれません。
最後に、いくつか質問をしたので、プレゼントをいただきました。
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セミナーは、完成したメルヴィルやサムサラのワインを飲むのではなく、バレル・サンプルを中心に、土壌や除梗の有無、クローンの違いといったものを味わうという構成。メルヴィル4種とサムサラ5種が提供されました。
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まず、メルヴィルでは土壌の違いをみました。ワインはどれも2015年、収穫してから半年も経っていないものです。
メルヴィルのあるサンタ・リタ・ヒルズは、かつては海底だったところ。現在は砂や粘土の土壌が中心になっています。
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まず最初に試飲したAnna'sというブロックは砂が中心のところ。一方、2番めの「M」というブロックは粘土質です。どちらもクローンは114で、33%除梗していないブドウを使っています。どちらもラズベリーなどの赤い果実の風味にブルーベリーのような紫の果実の風味がありますが、粘土質の「M」の方がよりパワフルで、タンニンもかなりきつくなっています。一般に粘土質の方が男性的なワインができるとのこと。また、サンタ・リタ・ヒルズは2月下旬に芽吹いて、収穫時期は10月に入ることが多いことから、生育期間が非常に長く、それがダークなフルーツの風味に現れてくるそうです。
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次に、除梗の有無による違いを見ます。
3番めと4番めのワインは「Sandy's」の2015年。土壌は砂で、クローンは37という、あまり一般的ではないですが、サンタ・リタ・ヒルズでは近年人気が上がっているというクローン。3番めは完全に除梗、4番めは100%ホール・クラスター(除梗していない)でした。
3番めは明るく親しみやすい味わい。やや軽めです。4番めはフルボディでタンニンもかなり強くスパイシー。これほども違うのかという味わいでした。
ピノ・ノワールで除梗しないのはかなりリスキーなので、カリフォルニアで実践しているワイナリーはあまり多くありません(サンタ・リタ・ヒルズではブリュワー・クリフトンが100%ホール・クラスターです)。チャドはここにかなりこだわりを持っており、生育期間の長さが、茎の成熟にもつながるので、それを活かすためにもホール・クラスターを積極的に使っていきたい意向のようです。
なお、メルヴィルでは、ブロックごとに別々に醸造して樽熟させていますが、ブロックによって、ここはホール・クラスター、ここは除梗、といった違いをもたせているそうです。経験で、このブロックは茎が完全に熟すのでホール・クラスターにしてよい、とか、このブロックは未熟な茎が残るので除梗しないといけない、といった区別が付くとのこと。また、ブドウの実の周りの葉を取り去ってブドウにしっかり日が当たるようにするといった手間をかけていることも、ホール・クラスターには必要だそうです。チャドの知り合いのワインメーカーが畑を見に来て、その徹底さに驚いたほどだとか。
さて、ワインは後半のサムサラに移ります。
すべて自社畑のメルヴィルに対し、サムサラは購入したブドウだけを使っています。また、メルヴィルとの違いとしてはサムサラは天然酵母を使っているとのこと。低温で発酵させてじっくりと風味を引き出しているようです。
まずはカルガサッキ(Cargasacchi)の2013年と2014年を比較します。2014年はバレル・サンプル。2013年はボトリング済みですが、さらに1年寝かせてから出荷するとのことで、まだ市場には出ていないワイン。2013年は40%ホール・クラスターで2014年は70%ホール・クラスター。
どちらも、ダークなフルーツの風味が強く、パワフルでタンニンもしっかりしたピノ・ノワール。個人的には2014年のカルガサッキはすごいワインになりそうな気がしました。パワフルなだけでなく、明るい陽性の風味もあり、非常にポテンシャルのあるワイン。まだ市場に出てくるまで2年あるのでこれからどう成長するのかわかりませんが、極めて興味深いワインでした。
最後の3つはラサマナス(Las Hermanas)という畑のもので、クローンの違いを見ます。3番めは2013年でクローン115とポマールのブレンド、4番めと5番めは2014年。4番めはクローン115のみで5番はポマールのみ。
3番めは親しみやすい味わい。この日のワインの中では軽めですが、スパイスも感じます。4番めは複雑みを感じます。スパイシーで果実味よりも熟成した味わいが楽しみな感じ。5番めは明るく華やかなワイン。ぱあっと味わいが広がる感じがします。
4番で使っているクローン115はDijon系のクローンの中でも人気が高く、これ1つでブレンのしなくてもワインの完成度が高くなるというもの。ちなみにカルガサッキもすべて115です。確かに115は完成度高いかもしれませんが、ブレンドによる面白さも感じた試飲でした。
メルヴィルのワインはこれまでも何度も飲んだことがありますが、実はサムサラは初めて。今回のは完成したワインではないので、そのまま評価はできないでしょうが、メルヴィルに負けない美味しさのワインだと思いました。特に2014年はいろいろ楽しみな感じがします。先日のシャトー・イガイタカハの試飲でも感じましたが、サンタ・リタ・ヒルズの2014年は、非常にいいヴィンテージだった2013年よりもさらに美味しいかもしれません。
最後に、いくつか質問をしたので、プレゼントをいただきました。
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