先日、山梨ヌーボーの記事を書いたとき、カリフォルニアにもヌーボーはあるものの、あまりふるわないことなどを付記しました。その大勢は変わってはいむせんが、一部でヌーボーを作り、楽しむ動きは起こっており、今年もそれは拡大しているようです(California taps into bright young things of harvest: Nouveau wines - San Francisco Chronicle)。

比較的有名なところでは、ベッドロックが2015年からジンファンデルのヌーボーを作っています。わずか100ケースの販売ですが、人気は上々とのこと。

以前、カリフォルニアのヌーボーを作っていたのは、ジョセフ・フェルプスやベリンジャーといった、比較的大きなワイナリーでしたが、今回は、小さなところから、草の根的に広がりを見せています。

Poeというワイナリーがヌーボーを始めたのは2013年。Scribeが2014年。2015年にはBedrock、Coturriが開始。2016年はCruse, Stirm, Brocといったワイナリーが追随しています。

ヌーボーはその製法からバブルガムやバナナの香りがするのが特徴。それが、一般のワイン好きには避けられる要因でもあったわけですが、これらの新しいヌーボーはそれだけでない、暖かい味わいが出ているようです。

ヌーボーはその年の収穫がその年に製品になることで、ワイナリーにとってはキャッシュフローの改善というメリットがありますが、一方で短期間に売り切らないといけないというデメリットもあります。一方、単価が安く、短い期間に売り尽くさないといけないというプレッシャーもあります。今のところ、メリットの方が目立つようですが、今後はどうなるでしょうか。

ベッドロックのヌーボーはニューヨークのレストランで、なんと8カ月もグラスワインとして供されたそうです。それだけ、変わったもの、面白いものを飲みたいユーザーが増えているということでしょうか。