2016年のワイン業界を振り返る記事がサンタ・ローザの新聞プレス・デモクラットに載っていました(Berger: Wine trends of 2016 to remember | The Press Democrat)。

一番目に取り上げられているのがピノ・ノワール。もうサイドウェイズも遠い話になりましたが、あれから10年を超えてピノ・ノワールの成長は続いています。特に2015年にコンステレーション・ブランズがケイマスで知られるワグナー家からピノ・ノワールの人気ブランド「メイオミ」を買ったことで、それまでのマニア中心のピノ・ノワール市場からメインストリームになった感があるようです。3億ドルを超える巨額買収でしたが、メイオミの2016年の販売は60万ケース。目論見通りに進んでいるようです。

2016年は大手がピノ・ノワールを買い漁ったことで、長年畑と契約しているワイナリーでも十分な量が手にはいらないといったことが起こったようです。

人気上昇に伴い、価格も上昇傾向。ちょっと前なら50ドルのピノ・ノワールなら高級品の位置づけでしたが、今では当たり前の値段になりつつあります。

次のトレンドは辛口白ワインにおける酸の上昇。5~15ドル程度の白ワインでは以前として残糖が少しあるようなタイプの人気が高いようですが、それより上のランクの白ワインではこれまでよりも酸味が強いものの人気が高まっています。IPOBの影響もあるのでしょうか。

これと並行して、アルコール度数もこれまでと比べると抑えめになってきています。元々米国の法律では14度より高いか低いかだけが意味があり、実際には16度くらいのアルコール度数のものが14%台と表示されているようなこともありましたが、最近は消費者がアルコール度数を気にするようになってきているとか。もしかするとこのあたりもIPOBの影響があるのかもしれません。

最後に、高すぎる価格のワインについては反動がついに起こっているとか。特にナパのワインなどで90ドルのものが60ドルくらいで売られているというケースが珍しくなくなってきているようです。

さてさて、2017年はどういう年になるでしょうか。皆様よいお年をお迎えください。