火事のアップデート情報としては、亡くなった方は40名に達しました。ナパ東方のアトラス・ファイアーと、カリストガからサンタ・ローザにかけてのタブズ・ファイアーは小康状態ですが、ソノマ・ヴァレーからナパのマウント・ヴィーダ―などに広がっているナンズ・ファイアーはまだかなり心配です。週中には雨の予報が出ており、そこで落ち着くことを期待しています。

さて、先週はワイン・インスティチュートのカリフォルニアワイン試飲会がありました。火事で大変な中、来日してくれた生産者も多数おり、あらためてワインを飲むことが私達ができる一番の応援ではないかと思っています。

ということで、試飲会からおいしかったワインをいくつか紹介します。今回はあまり時間がなかったので、最近試飲しているワインは遠慮させていただいたものが多かったです。なので、ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズの試飲会の記事も合わせてご覧いただけるといいと思います。

ナパの試飲会で美味しかったワイン(2017年秋)(前編)
ナパの試飲会で美味しかったワイン(2017年秋)(後編)
Wine Institute 試飲会「ロス・エステート」
ロスのシャルドネとピノ・ノワールは、ジューシー、チューイーなおいしさ。マニア向けというより大多数が喜ぶタイプ。

Wine Institute 試飲会「ファイアーストーン」
ファイアーストーンのソーヴィニヨン・ブランはとても香りよし。これで2200円はコスパが光ります。

Wine Institute 試飲会「パリ」
パリ(Pali)のシャルドネはフレッシュでジューシーな味わい。これも3350円という価格に見合わないおいしさ。

Wine Institute 試飲会「タワー15」
タワー15の「ザ・スウェル(The Swell)」はカベルネ・ソーヴィニヨン中心のブレンド。樽の香りが嫌味でなく、飲みたい気持ちをそそります。

Wine Institute 試飲会
サマーウッド(SummerWood)のグルナッシュ・ブラン。最近少しずつ増えてきている品種がグルナッシュ・ブラン。穏やかな酸味はヴィオニエあたりと共通するものを感じますが、ヴィオニエよりもくどくなりにくいのがいいところのように感じます。これもなかなかいいワイン。

Wine Institute 試飲会
日本で見るのはかなり久しぶりのローリング「Loring」。2000年代のピノ・ノワールブームを牽引したワイナリーの1つで、かなり濃い目のピノ・ノワールで知られていましたが、やはり時代の変化か以前よりもバランスの取れた作りに変わってきているようです。ただ変わらないのはそのおいしさ。思わず「おいしい」と口に出てしまうような果実味などは昔のままとも思いました。最近、日本で見ることが減ったサンタ・ルシア・ハイランズの銘醸畑「ゲイリーズ」や「ロゼラズ」などを相変わらずラインアップに入れているのもうれしいところ。

Wine Institute 試飲会「トルシャード」
トルシャードは実はナパの試飲会でも紹介しているのですが再掲。ブドウの大部分をフロッグズ・リープなど他のワイナリーに卸しているというところですが、非常にコスパ高いです。自社畑のあるカーネロスでカベルネ・ソーヴィニヨンやジンファンデルまでも作っているのも面白いところ。これがまた意外においしいのです。

Wine Institute 試飲会
スタンダードな品種のワインが多いなか、異彩を放っていたのがブロック・セラーズ。ここのワインは以前「「ニューカリフォルニア」の注目株、ブロック・セラーズの魅力」でも紹介しているので、それ以外のもので面白かったのを紹介しましょう。写真中央はなんと「ミッション」種のワイン。ミッション種はスペイン人の宣教師がカリフォルニアに伝道にきたときに植えた品種で、カリフォルニアワインの一番最初のものとなりますが、今ではほとんどなくなってしまっています。それを「発見」して作ったワイン。その左の「ククー・カベルネ・フラン」も普通のカベルネ・フランのイメージとは大分違いますが、意外においしいワインでした。普通のワインで飽き足らない人は、ぜひ試してみてください。面白いワインが多数あります。どれもすいすい飲めるおいしさです。

Wine Institute 試飲会
ロックウッドのシャルドネ。これも2500円という安さにびっくりする本格派のシャルドネです。

Wine Institute 試飲会
懐かしい「シュグ」も出ていました。ウォルター・シュグさんが亡くなった後、娘さんがドイツから帰国してマーケティングを担当しているそうです。安定のおいしさは昔と変わりません。

ロドニー・ストロング「ノッティ・ヴァインズ」
ロドニー・ストロングも懐かしい名前。ジンファンデル「ノッティ・ヴァインズ」は昔ながらの濃厚な味わいのジンファンデル。昨今のバランスを重視した味わいのワインもいいですが、久しぶりにこういうスタイルのジンファンデルを飲むと、懐かしいと同時に、やっぱりカリフォルニアのよさはこういうところにあるのではないか、とも思うのです。

皆さん、カリフォルニアワイン飲みましょうね。