ワイン・スペクテーターにリッジのモンテベッロ(モンテベロ)の垂直試飲の記事が出ていました(Ridge Through the Ages: A Monte Bello Retrospective Wine Tasting | Wine Spectator)。有料会員向け記事なので、詳しい内容は伏せますが、樽による風味の違いなど、非常に興味深い内容も多く、かなり読み応えのある記事でした。

垂直試飲は一番古いもので1968年という、まだ「モンテベッロ」という名前を付ける前のものからという貴重さ。まだブレンドもされていない2018年のバレルサンプルまで18ヴィンテージにわたります。

個人的に特に興味を持ったのが、リッジの熟成について。

リッジのモンテベッロは、パリスの審判の30年後試飲会で1位になったように、カリフォルニアワインの中でも長熟型で知られています。若いワインでは、ナパのカベルネ・ソーヴィニヨンなどと比べると果実味が抑えられているため、むしろ物足りなく感じる人もいるかもしれませんが、年々それが熟成の魅力に移っていきます。逆に、果実味中心のワインの場合、時間が経つにつれて果実味は落ちていきますが、熟成の魅力はあまり出てこないワインもあります。その点、リッジは確実に熟成して美味しくなるワインといえます。

今回の試飲では2007年より古いものになると、若さから熟成へと魅力が移り、「第2段階」に入ったと評されていました。

先日、私が講師をしたアカデミー・デュ・ヴァンのセミナーでも2007年を試飲しましたが、確かにただ時間がたって果実味が落ちたのではない、熟成の魅力が出始めていたワインでした。

もちろん、ヴィンテージによって異なるでしょうが、12年くらいが一つの目安になるのかもしれません。

古いものも、実は価格は新しいものとほとんど変わらないので、きちんと保管された熟成モンテベッロを買うのはかなりリーズナブルだと思います。熟成したワインを飲みたい方は一つの有力候補にしてください。

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