カリフォルニアでは新型コロナウイルスの蔓延を防ぐため、レストランはテイクアウトだけ、ワイナリーもワインの購入はいいけど試飲はなし、ということで大方のテイスティングルームが閉じています。多くの場合、テイスティングルーム休業中は、そこの従業員には給料は支払われないのですが、ハイツ・セラーズは給料を100%支払いを続けていて話題になっています(A Napa Winery Closed Its Tasting Room, But Is Still Paying Its Staff. The CEO's Reasoning Is Powerful)。
Heitz Wine Cellars Cabernet Sauvignon
CEOのカールトン・マッコイは理由を問われて次のように答えています。

「このようなシチュエーションにおいては、従業員を取り扱うマネージャーになってはいけない。人間として人間を扱うのだ」

現在のハイツのオーナーは大金持ちのゲイロン・ローレンスであり、その資産があるからできることだという指摘もあります。ですが、それ以上にCEOの方針という面が強くありそうです。

カールトン・マッコイはよく知られたソムリエで昨年CEOに抜擢されました。彼はこんなことも言っています。

「急いで結果を出さないといけないわけではないし、パンデミックのさなかに株主に利益率を誇示することもない」

また、これはハイツだけでなく、ナパのコミュニティのためなのだということも言っています。

参考:ナパのハイツ・セラーズが売却される

この記事とは無関係ですが、ハイツのマーサズ・ヴィンヤード2014が先日ワイン・エンスージアストで100点を取っています。日本にはまだ前ヴィンテージの2013までしか入っていないようですが。