ジェンセンは速攻で売り切れていましたが,ほかは残っています。今から2~3年以内に飲むなら,ミルズがいいと思います。セレックだったら5年は我慢したいところ。



ところで,カレラといえば「ロマネコンティのクローン」であるという伝説があるわけですが,近年は「Chaloneから入手した」などと,それを否定するような言い方をしているようです。

ただ,2001年ころまではもっと詳しいことを説明しています。
"In the early 1970s, Jensen spent a couple of years in Burgundy, where he apprenticed himself to several winemakers, including those at Domaine de la Romanée-Conti and Domaine Dujac. "I became quite friendly with the owners," he recounts, "and eventually worked up the courage to ask them for cuttings I could take back to California. This was in 1973, before I had any vineyard land of my own. They said, 'You know what you want and where to find it. Go ahead and make your cuttings, just don't butcher the vines.'" Having secured their blessing, Jensen says that he was "mighty careful what I cut.""
The Wine News Magazine "Suitcase Clones The smugglers' legacy in California's esteemed pinot noir vineyards"

と状況を説明。これを湿ったコットンに包んでコートの中に入れて持ち帰り,友人の畑で接木したとまで述べています。このうち25本が成長して,カレラの苗木になったそうです。

ちなみに,肝心の畑については,この記事でも口をつぐんでいますが,彼が働いたのが「Dujac, DRC, Comte de Vogüé and Clair Dau」であり,このどこかであることは間違いないのでしょう。

では,なぜJosh Jensenはクローンの話をしないようになったのでしょうか。一つには,法律に触れるからということがあると思います。2000年に処罰が強化され,米国の農務省がこの問題を重視する姿勢を見せたことが影響している可能性があります。最悪な場合,畑の木を全部抜くように命令される可能性があるのです。それと,Josh Jensen自身「So many people believe clones are the magic bullet. I don't believe that」と,クローンをさほど重く見ていないことも関係するのかもしれません。

ところで,僕も知らなかったのですが,この記事にはもう一つ興味深い記述があります。カレラの畑のうち,ReedとSelleckは実際にこのクローンが全部使われていますが,一番有名なJensenに関して言えばわずか1/3しか使われていないそうです。残りの2/3はカリフォルニアで調達した苗木だそうです。それでもやっぱりカレラ・ジェンセンは「カリフォルニアのロマネコンティ」なのでしょうか。