ジャンシス・ロビンソンはサイトにカリフォルニアの今として、ラテン系(基本はメキシコ人)によるワイナリーが増えている話が載っています(California’s Latino-owned wineries mushroom | JancisRobinson.com)。

セハ(Ceja)やミ・スエーノ(Mi Sueno)は知っていましたが、ケラー(Keller)もラテン系とか初めて知りました。


カリフォルニアのブドウ畑はメキシコ人によって支えられていると言っても過言ではありません。畑で作業している人はほとんどがメキシコ人といってもいいくらいです。彼らが自身のワイナリーを持ちたいと思うのも自然ですし、もっともっと増えていいと思います。

メキシコ人による成功例の中でも個人的に注目していたのがユリシス・ヴァルデス。ソノマ、特に冷涼なソノマコーストで畑を管理させたら右に出る人はいないと言われた人で、マーク・オーベールが最大の信頼を置いていたとか、パルメイヤーがウェイファアラーの畑を作ったとき、この人でなければ無理だったと言ったとか、ここ10年くらいのソノマコーストのブームもこの人なしでは成り立たなかったのではないかと思うほどの偉人です。

しかし、一昨年49歳の若さで急死。その後は4人の子供たちが後を継いでいます。
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ワインスペクテーターの記事によると、長女のエリザベスは父の死の前から家族のワイナリーのワインメーカーを務めており、長男のユリシス・ジュニアが畑の管理会社を引き継ぎ、父譲りの熱心な取り組みで既に信頼を勝ち取っているとのこと。

次男と次女も別の仕事をしながら、父の死後は家族の手伝いもしているそうです。

畑の管理会社では多くのメキシコ人のフルタイムの労働者を雇っており、彼らをきちんと食べさせていくことも大事な仕事。そこからまた第2、第3のユリシス・ヴァルデスが生まれることも期待したいです。

ヴァルデス家のワインは輸入されていませんが、自社畑のシルバー・イーグルのワインは、かのリヴァース・マリーが作っています。リヴァース・マリーのピノ・ノワールの中では比較的ボールドなタイプ。むちゃウマです。