7月21日に、E&J.ガロとボニー・ドゥーンのランドール・グラームが新しいワインを作るというニュースが出ていました。大量生産でコンシューマー向けの安いワインを作るというイメージの強いガロと、強烈な個性を売り物にするランドール・グラームとの組み合わせに真意を測りかね、記事にするのを迷っていたのですが、同じように不思議に感じたW.ブレイク・グレイ氏がグラームに取材して記事に書いていたので紹介します(Gallo and Grahm: Wine's Marvel Team-up)。

ランドール・グラーム

そのワインの名前はThe Language of Yes。グラームが得意なローヌ系などの品種を使っています。一方、ガロはローヌ系はあまり得意ではなくグラームに、サンタ・バーバラのサンタ・マリア・ヴァレーにあるランチョ・リアルという畑のブドウを今回提供しているそうです。ただ、ロゼは「Tibouren(ティブレーン)」というマイナー品種で、これはガロではなくパソ・ロブレスの生産者から購入したとのことです。このロゼは「赤い果実の香りがほのかにしますが、完全に淡い色で、多くの白ワインよりも軽いです」とのことで、ワインがガロのスタイルではなくグラームのスタイルで造られていることがわかります。

ほかにはランチョ・リアルのグルナッシュとシラーがラインアップにあります。グルナッシュは収穫後2日間乾燥させてから破砕するというユニークな作りで、これはグラームがボニー・ドゥーンで使ったことがあるテクニックだそうです。茎が木質化することでタンニンがまろやかになるそうです。

このように、Language of Yesのワインはかなりグラームの色が強く出たものになっているようです。また、販売もDtCを中心にするとのことで従来のガロとは大きく異なっています。ガロもこういうことをやってみたかったということでしょうか。今後のプロジェクトの進展が興味深いです。