老舗ワイナリーの買収相次ぐ
ソノマ・ヴァレーの人気ワイナリー「シャトー・セント・ジーン(Chateau St. Jean)」をフォーリー(Foley)ファミリーが買収すると12月8日に発表しました。シャトー・セント・ジーンは1973年に設立され、ソノマの単一畑のシャルドネのパイオニアであり、ボルドー系ブレンド「サンク・セパージュ」でソノマのワインとしては初めてワインスペクテーターのワインオブ・ザ・イヤーに選ばれたことでも知られています。かつてはサントリーが所有していたことがありましたが、フォーリーの前はベリンジャーなどを保有するトレジャリー・ワイン・エステートがオーナーでした。
買収対象はソノマのシャトーやビジタ・センター、畑や醸造設備などを含みます。フォーリーは近年はあまりぱっとしなかったワインの評価を上げていく計画です。
ナパでは同日、1998年に設立されたエリザベス・スペンサー(Elizabeth Spencer)をジャン・シャルル・ボワセが買収しました。エリザベス・スペンサーはエリザベス・プレスラーと、スペンサー・グラームの夫婦によるワイナリーです。ラザフォードのハイウェイ29沿いにあります。畑は所有しておらず、ワイナリーとブランドの買収になります。ワイナリーとテイスティング・ルームは1872年に作られた郵便局の一部になっており、観光客の人気スポットになっています。
ボワセはオークヴィル・グロッサリー、レイモンドなどを保有しており、いずれもハイウェイ29沿いにあります。ナパ、ヨントヴィル、オークヴィル、ラザフォード、セントヘレナ、カリストガと各町にプロパティを保有しており、ジャン・シャルル・ボワセはハイウェイ29はいまや「ボワセ・ハイウェイ」だと冗談で言っています。
サンタ・バーバラではフィドルフィッド・セラーズ(Fiddlehead Cellars)が所有していた銘醸畑フィドルスティックス(Fiddlestix)が11月29日にタイラー・ワインズ(Tyler Wines)のジャスティン・ウィレットなどが買収しています。
最近ではテラ・ヴァレンタインの所有していたナパの畑をジャクソン・ファミリーが購入してロコヤに使っていくといった話もあり、ワイナリーや畑の買収が目立っています。いずれも売った側の理由などについては明らかになっていないので、コロナ禍の影響なのかどうかはわかりません。