米国の著名なマスター・ソムリエであるラリー・ストーンがオレゴンに所有するワイナリー「リングア・フランカ(Lingua Franca)」をコンステレーション・ブランズに売却しました。

ラリー・ストーンはサン・フランシスコのルビコンなどのレストランで働き、ナパのシリータ(Sirita)でカベルネ・ソーヴィニヨンなどを造ってきましたが、その後、オレゴンのエオラ・アミティ・ヒルズに、ブルゴーニュのコント・ラフォンらとイヴニング・ランド(Evening Land)を設立しました。

イヴニング・ランドの畑は以前からあったものでしたが、彼は畑作りを1からやりたいと考え、イヴニング・ランドの隣にあった地所を購入。イヴニング・ランドを手放してそちらに移りました。そこがリングア・フランカで、ワインメーカーはコント・ラフォンのドミニク・ラフォンが務めています。

リングア・フランカの立ち上げで、ナパのワイナリーなど私財をほぼすべてつぎ込んでしまった彼に、さらなる困難がやってきました。コロナ禍と2020年の山火事です。コロナ禍でワイナリーを訪れる客がいなくなったのに加えて、山火事による煙の汚染で2020年のワインの醸造を諦めました。これで資金が苦しくなり、今回の売却にいたったといいます。

ラリー・ストーンはブランド・アンバサダーとしてワイナリーに残り、ワインメーカーのトーマス・セイバーとドミニク・ラフォンも残ります。

リングア・フランカのピノ・ノワールとシャルドネは、エオラ・アミティ・ヒルズの中でも最良のものの一つです。オレゴンらしい鮮烈な酸とピュアな果実味の魅力は、ラリー・ストーンが以前にいたイヴニング・ランドと並んで素晴らしく、コスパも高いワインです。