フランスのモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)がナパのワイナリー、ジョセフ・フェルプス(Joseph Phelps)を買収しました(LVMH buys California wine giant Joseph Phelps as high-end drinks market soars)。

ジョセフ・フェルプスは故ジョセフ・フェルプス氏が1973年に設立したワイナリー。以来家族経営を続けてきました。初代のワインメーカーである故ウォルター・シュグが作ったボルドー系ブレンド「インシグニア(Insignia)」で知られるワイナリーです。ナパの様々な銘醸地に自社畑を所有し、そのブレンドで作っているワインです。インシグニア以外にもオークヴィルのバッカス・ヴィンヤードのカベルネ・ソーヴィニヨンも著名であり、ソノマ・コーストの中でも冷涼なフリーストーンにも畑を開発してピノ・ノワールやシャルドネを作っています。

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LVMHとしてはハイエンドのカベルネ・ソーヴィニヨンのブランドがほしかったとのこと。LVMHはシャンパーニュのドン・ペリニオンやモエ・エ・シャンドン、ヴーヴ・クリコ、クリュッグを初め、シュヴァル・ブランやシャトー・ディケムなどを持ち、カリフォルニアではニュートンとシャンドンを保有しています。またコルギンの大株主にもなっています。

インシグニアはブランド力があるのはもちろん、生産量もかなり多く、LVMHのニーズに応えやすかった面がありそうです。一方、これまでのオーナーのフェルプス家はあまり表に出ることがなく、どういう経緯だったのかは今回のニュースでも明らかになっていません。