ワイン・アドヴォケイトで100点25本など、超高評価のワインを作るハンドレッド・エーカー(Hundred Acre)の創設者・オーナーであるジェイソン・ウッドブリッジがナパ郡を提訴しました。


ナパでは現在新しいブドウ畑の開発は、事実上ほとんどできません。平地はあらかた開発され、斜面は土壌の保全のために開発が禁じられています。ジェイソン・ウッドブリッジは2020年のグラス・ファイアーで斜面に生えていた木が焼失していまいました。ナパ郡からは以前の植生に戻すよう命じられたのですが、ジェイソン・ウッドブリッジはそこにブドウ畑をつくろうとして、ナパ郡から差し止めされてしまいました。そこで、ジェイソン・ウッドブリッジが職権乱用だとしてナパ郡を訴えたわけです。

ナパ郡の斜面の開発のルールでは、地面を掘り返すなど斜面に手を加えてはいけないことになっています。そこでジェイソン・ウッドブリッジはは底の抜けた植木鉢のような器に肥料とブドウの苗木だけを入れて斜面に置いていくという方法を取りました。こうすると自然に苗が育って地中に根を張り、斜面の保全にも役立つとしています。

しかし、ナパ郡は以前の植生と異なっているとしてこれを認めませんでした。これに対してジェイソン・ウッドブリッジが提訴したわけです。

まだ裁判はこれからなので。どうなっていくかわかりませんが、ジェイソン・ウッドブリッジの意見には一理あるような感じはします。

そして、もしこの方法が認められるとすると、第2、第3のジェイソン・ウッドブリッジが登場しないとも限りません。特に、斜面の土地は持っているがブドウ畑の開発ができないというワイナリーにとっては朗報となる可能性もあります。