今月開催された中川ワインの試飲会で最注目だった新入荷ワインが「アルマ・デ・カトレア」。すぐにでも紹介したかったのですが、まだ国内のショップ用入荷がなかったときだったので、入ってくるまで紹介を待っていました。

アルマ・デ・カトレアのワインメーカーはビビアナ・ゴンザレス・レーヴ。ウェイフェアラー(ナパの人気生産者パルメイヤーがソノマ・コーストで始めたワイナリーですが、今ではナパのワイナリーは売ってしまってこちらに専念しています)をソノマ・コーストのトップクラスのシャルドネとピノ・ノワールのプロデューサーにまで仕立て上げた立役者です。2015年にはSFクロニクルのワインメーカー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた実力者。

現在はウェイフェアラーはやめ、自身のブランドである「カトレア」(シャルドネとピノ・ノワール)、夫のジェフ・ピゾーニ(サンタ・ルシア・ハイランズの雄ピゾーニのワインメーカー)と作るソーヴィニヨン・ブラン専門の「シェアード・ノーツ」としてこの「アルマ・デ・カトレア」を作っています。ちなみにカトレアは彼女の母国であるコロンビアの国花です。ワインの文化のない国で生まれ、それでもワインを作りたくてお金をためてフランスに行って勉強し、カリフォルニアに渡った苦労人でもあります。

アルマ・デ・カトレアで手掛ける品種はシャルドネとピノ・ノワール、ソーヴィニヨン・ブランにシラー主体のレッド・ブレンド。カトレア+シェアードノーツ+αのコスパ系となります。希望小売価格で4500~6000円と、他の2ブランドと比べると試しやすくなっています。

ビビアナの作るワインはどれもエレガント。ソノマの冷涼な地域のブドウを使っています。

特にお薦めはソーヴィニヨン・ブラン。ムスケ・クローンも含んでおりとてもアロマティックでピュア。シェアード・ノーツではボルドータイプ、ロワールタイプの2つのソーヴィニヨン・ブランを作っていますが、その両者のいいとこ取りをしたようなワインです。

シャルドネもとてもきれいで、ミネラル感のあるワイン。ニュートラルな樽を使っているので樽感は強くありません。カトレアのシャルドネがすごく好きなのですが、やはりそれを彷彿させるところがあります。

ピノ・ノワールはチャーミングな味わい。柔らかい赤果実にスパイスなどがからまり複雑な味わい。

レッドワインはシラー64%、カベルネ・ソーヴィニヨン22%、メルロー14%。オーストラリアのシラーズではなく北ローヌのシラーに近い作りというか、もしかしたらそれよりも冷涼感が強いかもしれません。筋肉質な味わいにかなりしっかりとしたタンニンがバックボーンを作ります。

カリフォルニアワインあとりえにはレッド・ブレンド以外の3種が入荷しています。