ジェームズ・サックリングが年間トップ100を公開しています。以前、年間トップにオーパス・ワン(2013だったと思います)を選ぶなど、話題には事欠かないリストの一つですし、40年を超えるキャリアとチームで年間3万本を超えるワインをレーティングしてきたその実績はあなどれません。

個人的には「カベルネが好きな人」というイメージもありますが、リースリングがトップ10に2本入るなど、今回は多様性も大分感じられました。

その中で1位はナパのカベルネ・ソーヴィニヨン。BV(ボーリュー・ヴィンヤード)のジョルジュ・ド・ラトゥール・プライベート・リザーブ2019です。これには大分びっくり。それこそ20年前にはまだナパのトップクラスの一つでしたが、そのころも既に「かつての名門」的な雰囲気は多少ありました。ちなみにかの有名なベクストファー・ト・カロンは元々BVの畑。アンディ・ベクストファーがヒューブレインから独立するときに、せしめた買い取った畑の一つです。そのままBVが持っていれば今も一流間違いなしだったと思いますが…。ともかく、名門復活的な1位(レーティングは100点)、素晴らしいです。残念ながら日本にはまだ前ヴィンテージまでしか入っていないようです。

今回、もう一つ紹介したいのがタイトルにも挙げた年間5位のワイン。ワシントンのKヴィントナーズのグルナッシュです。Kヴィントナーズといえば、シラーのイメージが強く、ロイヤルシティなど垂涎のシラーをいろいろ作っています。その代わり、値段もそこそこするものが多いですが、このグルナッシュ「ザ・ボーイ2019」は税抜きなら7000円台。米国でも50ドルと99点の高評価ワインとしては激安ですし、日本の価格も安めです。こちらはそのものが日本にも入っています(インポーターは売り切れ)。グルナッシュでこれほど高評価なものは個人的にもまだ飲んだことないので、大変気になります。

ほぼ真っ白なラベルが印象的なワインですが、インポーターには以下の説明があります。

フランスのミュージシャン、セルジュ・ゲンスブールの楽曲「I'm the Boy」から命名。ワインのバックラベルには、「僕は透明人間である事を楽しんでいる」という一節があります。チャールズがこの曲と歌詞に共感したのは、彼がワシントンで有名になり、レストランや買い物に行っても周りに顔を指されてしまう状況に陥った時でした。ラベルの、"The Boy "の文字がほとんど見えないことが、それを物語っています。チャールズは透明人間になりたかったのです。

豪放なイメージのあるチャールズ・スミスの繊細な一面がワインにも出ているのかもしれません。



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