試飲会レポート第3弾は都光です。都光の試飲会ではカリフォルニアワインのブースが机2つ分あったのですが、実はそのワインの説明役として、私自身がサーブ差し上げました。ワインの説明をしながら、空になりそうなボトルがあったら次のを抜栓しておいておいたり、なかなか忙しくも充実した時間を過ごさせていただきました。

ということで、今回は美味しかったワインではなく、私が担当した範囲のワイン全般を紹介する形にします。

写真の左から順に行きます。

まずはヘス。都光といえばヘスを思い出すくらい定番アイテムになっています。ヘスの中でもいくつかのブランドに分かれていますが、最初はシャーテイル・ランチ。レストラン向けに作られたという、コスパの高さに加えて、食事にオールマイティに合わせやすい中庸さを持ったワインです。

・ヘス・シャーテイル・ランチス カベルネ・ソーヴィニョン(4500円)
果実味の豊かさが印象的なワイン。バランスよく飲みやすい。

・ヘス・シャーテイル・ランチス ピノ・ノワール(4500円)
今回私が担当した範囲ではピノ・ノワールはこれ1本。ちょっと甘やかさのある果実味豊かなタイプ。

・ヘス・シャーテイル・ランチス シャルドネ(3800円)
バランスよくエレガントさもあるシャルドネ。樽も比較的しっかりきいたおいしいシャルドネです。

ここからはヘスの本拠地であるナパヴァレーのワインです。

・ヘス・アローミ・カベルネ・ソーヴィニヨン(8500円)
ヘスはナパ・ヴァレーのマウント・ヴィーダーに自社畑があり、このほかナパの北東地域にも、畑があります。アローミは後者のワインでややリッチなスタイル。

・ヘス・ナパヴァレー・シャルドネ(6500円)
結構きれいな作りです。樽も利いています。おいしい

・ヘス・マウント・ヴィーダー・カベルネ・ソーヴィニョン(25000円)
ヘスを代表するワインといっていいでしょう。山のワインらしくしっかりしたタンニンとストラクチャーがあるワイン素晴らしいです。

・ヘス・アイロン・コーラル・カベルネ・ソーヴィニョン(18000円)
マウント・ヴィーダーの畑とヘスのアローミで使っている平地のブドウをブレンドしたもの。味わいもリッチさと複雑さがほどよくあっていい感じです。

次はヘスの「ライオン」シリーズ。ライオン・シリーズはスケアクロウなどのワインメーカーとして知られるセリア・ウェルチがコンサルタントとして入っており、洗練された味わいが特徴になっています。

・ヘス・ライオン・テイマー・カベルネ・ソーヴィニヨン(15000円)
このカベルネ・ソーヴィニョンはちょっとだけマルベックがアクセントになっているワイン。こなれたタンニンやチョコレートのような風味が印象に残ります。

・ヘス・パンテラ・シャルドネ(12000円)
ライオン・シリーズのシャルドネの中では下位(といっても1万円超えます)のワイン。リッチでスムーズ、酸もきれい。バランスよく余韻長く素晴らしい。個人的にはこの日のベストといってもいいくらい美味しいワインでした。

・ヘス・ライオン・カベルネ・ソーヴィニヨン(60000円)
6万円という、今回の担当範囲では一番高額なワイン。これを目当てに試飲にくる方もたくさんいらっしゃいます。なので少しずつ注がせていただきました。マルベックが16%くらい入っています。なんといっても緻密で滑らかなテクスチャが素晴らしいワイン。濃厚ですが重さを感じない。余韻も長いです。さすがの美味しさでした。

・ヘス・ライオネス・シャルドネ(25000円)
とてもリッチで果実味豊かなシャルドネ。風味の強さはさすがです。

次は新入荷のワイナリーでバージェス(Burgess)とインク・グレード(Ink Grade)。どちらも同じグループのワイナリーで、ハイツ・セラーなどと同様、カールトン・マッコイが率いています。ナパでも注目されているグループのワイナリー。

バージェスはハウエル・マウンテンの山沿いに畑があります(ハウエル・マウンテンAVAには入っていません)。斜度最大29度というナパではかなりの急斜面に作られたソレンソンズ・ヴィンヤードが中心になっています。前身となったワイナリーがスーヴェランで、ここは1960年代に、のちにパリスの審判で脚光を浴びることになるウォーレン・ウィニアルスキーやマイク・ガーギッチがともに修業したワイナリーでした。現在のワインメーカーはメーガン・ゾベックという人で、スクリーミング・イーグルでアシスタントをしていたそうです。

・バージェス・コンタディナ・カベルネ・ソーヴィニヨン(15000円)
バージェスの中ではエントリー・レベルになるカベルネ・ソーヴィニヨン。ストラクチャがあり、ハーブの風味などエレガント系の味わいが山らしさになっています。

・バージェス・ソレンソンズ・リザーブ・カベルネ・ソーヴィニヨン(40000円)。
ハウエル・マウンテンの山沿いの畑の中でも古い樹齢(1979年植樹)のブドウを使ったワイン。山のワインとしては滑らかさを感じます。

・バージェス・ヒルサイド・ヴィンヤーズ・カベルネ・ソーヴィニヨン(38000円)
最も山らしいストラクチャーと力強さ、エレガントな風味を持ったワイン。ヘスのマウント・ヴィーダーと比べると熟した果実の力強さをより感じます。

インク・グレードもナパのハウエル・マウンテン(こちらはAVAに含まれています)に畑を持つワイナリー。ラベルもおしゃれです。

・インク・グレード ナパ・ヴァレー アンドソル(20000円)
ジンファンデルにカベルネ・ソーヴィニョンをブレンドしたユニークなワイン。ジンファンデルの芳醇さにカベルネ・ソーヴィニョンの力強さがほどよくマッチしています。

・インク・グレード ナパ・ヴァレー カベルネソーヴィニヨン(30000円)
とても複雑味のあるカベルネ・ソーヴィニヨン。ヴァレーフロアにハウエル・マウンテンのブドウをブレンドしています。

・インク・グレード ハウエル・マウンテン カベルネソーヴィニヨン(50000円)
ハウエル・マウンテンらしい果実の濃密さとタンニンを持つすばらしいカベルネソーヴィニヨン。

私の担当はここまででしたが、隣にあったパルマッツのワインも少し試飲させていただきました。
・セダル・クノール・カベルネ・ソーヴィニヨン(18000円)
パルマッツではセカンドに相当するワインですが、非常にバランスよくよくできたワインでセカンド感が皆無です。

・パルマッツ アマリア シャルドネ(19000円)
ナパらしいふくよかさと、エレガントさを併せ持ったシャルドネ。そこはかとなくクラシックな味わいがあります。

・パルマッツ・カベルネ・ソーヴィニヨン2019(38000円)
以前飲んだときにはまだまだ固いなあと感じたワインですが、やっと本領を発揮してきた感があります。クームズヴィルというナパでは比較的涼しく、またヴァカ山脈系の鉄分の多い土壌の流れもひくというユニークなテロワールを感じさせるワイン。