パソ・ロブレスの人気ワイナリー「ダオ(DAOU)」をオーストラリアをベースにする大手会社トレジャリー・ワイン・エステートが買収すると発表しました。買収にはDAOUとDAOU傘下のブランド、ワイナリー、ホスピタリティ・センター、畑が含まれています。買収額は9億ドルの契約一時金と最大1億ドルの追加アーンアウトとなっています。

ダオはレバノン出身のジョージとダニエルのダオ兄弟が2007年にパソ・ロブレスのアデレーダ・ディストリクトに設立したワイナリー。パソ・ロブレスの中では冷涼な地域に畑を持っています。カベルネ・ソーヴィニョンなどボルドー系品種のワインを得意とし、ダオ・ブランドではワイン・アドヴォケイトで最高97+、パトリモニー(Patrimony)ブランドでは同じく最高99点という高い評価を得てきました。買収以降もダオ兄弟はワイナリーに残ってワイン造りを担当します。

トレジャリーはオーストラリアのペンフォールズやウルフブラスなどを擁する大手メーカー。カリフォルニアではベリンジャー、エチュード、BV、スターリング、スタッグス・リープ・ワイナリーを保有しています。これらはいずれもナパのワイナリーであり、パソ・ロブレスのワイナリー取得は初めてになります。

今回の買収はトレジャリーにとってはラグジュアリー・ブランドの拡充の狙いがあります。また、ダオにとっては、これまでのパソ・ロブレスのローカルなワイナリーというイメージから世界レベルのブランドへの飛躍といった意味合いがありそうです。

ダオのワインは国内ではナニワ商会(新橋のワイン蔵Tokyo)が輸入しており、ダオの中でもラグジュアリー系のパトリモニーは中川ワインが輸入しています。これらが今後どうなるかは不明ですが、トレジャリーは日本支社もあることから、将来はそちらへの移管が行われる可能性もありそうです。