2023年は「世紀のヴィンテージ」?
先日、2023年の収穫について簡単な記事を書きましたが、一言でいえば「全く問題の起こらなかったヴィンテージ」というのが印象でした。ナパヴァレー・ヴィントナーズの最近のプレスリリースによると、さらに踏み込んで「一生に一度のヴィンテージ」と評価する人も少なからずいるようです。
カリフォルニアワイン協会のハーヴェスト・レポートを読んでも、問題があった地域はほぼゼロです。「例外的に素晴らしい」といった言葉が並びます。あえて欠点らしきところを拾うとすると、全体に気温の低いヴィンテージだったので、ワインはエレガントなできになる傾向がありそうです。ボールドな味わいを求める人にとってはちょっと物足りないということもあるかもしれません。
あと、懸念点としては前年までが干ばつで収穫量が少ない状態が続いていたので、水が豊富で豊作な今年に収穫を増やしてしまうと品質が意外と上がらないというケースもあるかもしれません。例えば2012年は豊作で良年と言われていましたが、前年の2011年が不作で量が少なく、それを取り戻すために収穫量を増やしすぎたワイナリーは、期待ほどの品質に達しなかったということがありました。近年は、ワイン余りの問題が取りざたされていますので、むやみに収穫を増やすワイナリーはあまりないだろうと思いますが。
ともかく、2023年は私にとっても思い出に残る年。そのワインを開ける日を楽しみに待ちたいと思います。