Raen
2023年のワイン・スペクテーターで年間4位になったのがレイン(Raen)のピノ・ノワール「ロイヤル・セント・ロバート・キュヴェ2021」でした。このキュベの8ヴィンテージを垂直で飲むワイン会に出席してきました。

レインはカルロ・モンダヴィとダンテ・モンダヴィの兄弟によるワイナリー。この二人はナパのコンティニュアム(Continuum)のティム・モンダヴィの子供で、故ロバート・モンダヴィの孫にあたります。「ロイヤル・セント・ロバート・キュヴェ」のロバートは祖父に敬意を表して付けたものです。
ロバート・モンダヴィ
ティム・モンダヴィ
モンダヴィ家はみなナパでワインを作っていますが、レインだけは冷涼なソノマ・コーストでピノ・ノワールとシャルドネを作っています。ソノマ・コーストのフリーストーンなどに20エーカー弱の畑を持っており、「ロイヤル・セント・ロバート・キュヴェ」はフリーストーンの近くの畑のものを中心に買いブドウと自社ブドウで作っているレインの中心となるワインです。

シャルドネや限定品のロゼも飲んでいますが、ここでは8ヴィンテージのピノ・ノワールのコメントをごく簡単に紹介します。
2022年  酸強くリーンなスタイル。赤果実に鉄や血液っぽい要素
2021年  2022年よりもふくよか、赤果実に紅茶。この日の2番目
2020年  レインのワインとしては酸が低めでやや甘さと柔らかさを感じる
2019年  果実と酸のバランスが非常にいい。ハーブや旨味が出ていてとても良い。この日のベスト
2018年  香りが香水のよう。きれい系で味わいはちょっと軽い
2017年  やや濃いめの味わい。赤果実にブラックベリーなどの黒果実の味わいが加わる
2016年  レインのワインとしてはやや甘めだがバランスよく飲みやすい
2015年  赤果実を中心とした果実味がまだフレッシュで美味しい

ちなみにVinousの評価は以下のようになっています。
2022年 94
2021年 94
2020年 92
2019年 92
2018年 93
2017年 94
2016年 90
2015年 94

2021年と2022年のスタイルが意外と大きく違っていたのがちょっと驚きでした。干ばつで収穫量が少なかったり、収穫時期が早まったりといった要素はありますが、どちらも良好なヴィンテージ。違いは収穫時期によって出てきているのでしょうか。彼らの目指すスタイルに一番近いのがどのヴィンテージなのか気になりました。

年間4位の2021年は、期待を裏切らない味でしたが、それ以上に素晴らしかったのが2019(Vinousの評価はそれほどでもありませんが)。個人的には96点くらいあげたいレベルです。

貴重な機会をいただきありがとうございました。