パソ・ロブレスのセミナーレポートに続いて試飲会のレポートです。

最初にちょっと言い訳というか弁解を。

今回の試飲会、東京の回は750を超える試飲ワインが出ていたそうです。4時間半という長丁場の試飲会ではありましたが、さすがに全部を試飲するのは無理です。なので、あくまでもたまたま私が試飲した中でのおすすめワインという形になります。特にこういう大きな試飲会では、単独の試飲会に参加している中川ワイン、Wine to Style、布袋ワイン、アイコニックワインあたりはどうしてもパスしてしまうことになりがちですのでご了承ください。

あと、試飲会では安いワインも高いワインも平等に試飲するのがモットーなので、立ち寄ったブースの多くではすべてのワインを試飲しています。逆に言うと、立ち寄っているブースと全く立ち寄っていないブースでどうしても分かれてしまいます。行けなかったところは申し訳ありません。

コメントを書いたワインを数えてみたら240くらいありました。だいたい3分の1くらい試飲したという計算です。4時間半を240本で割ると1本あたり平均1分10秒弱になります。飲むだけでなく話もするのでこれくらいにはなってしまいますね。

言い訳ばかり書いていてもしょうがないので本編に進みます。


デプト・プランニングが輸入するベンジャミン・シルバー。サンタ・バーバラのワイナリーです。今回は本人自ら来日してワインを注いでくれました。ピノ・ノワールを得意とするワイナリーですが、今回光っていたのはカベルネ・フランです。赤果実がきれいで6000円はむちゃくちゃコスパ高いです。


昨年はテーマ産地ウエスト・ソノマコーストの一員として来日していたアーネスト。当時はインポーターがありませんでしたが、富士インダストリーズが輸入しています。シャルドネもピノもピュアな果実の味わいがたまらないワイン。8000円台はこの地域のワインとしては安め。きれい系のシャルドネ、ピノ好きはぜひ。


今年のテーマ産地のパソ・ロブレスから「ホール・ランチ」のカベルネ・ソーヴィニヨン。パソ・ロブレスのワインとしては酸もしっかりしていてバランスよくコスパ高いです。
写真が切れていますがその右のビリキーノ「マルヴァジア・ビアンカ」は甘酸っぱい果実味が魅力。なじみのない品種かもしれませんが、試してほしいワイン。


ディアバーグはサンタ・バーバラの優秀なワイナリー(インポーターはモトックス)ですが、なんとこのピノとシャルドネは畑の植え替えでなくなってしまうそうです。個人的には酸のきりりとしたシャルドネが特に好印象。


こちらもモトックスが輸入する「トゥルー・ミス」。シャルドネはしっかり目の樽感が魅力。ピノ・ノワールは果実味が強く、カベルネは意外とキレイ系です。


アーサー・セラーズは日本人の桃井さんがソノマで作るワイン。ソノマの高級ピノ・ノワール/シャルドネの中では安価ですが、素晴らしい畑のブドウばかりを使っています。右のグロリア・ヴィンヤードはフリーマンの畑。桃井さんとフリーマンのアキコさんはエド・カーツマンの兄弟弟子とい関係です。2019年と、少し長めに熟成したものをニューリリースで出しています。果実味と酸のバランスがいいきれいなワイン。左のチェリー・リッジ・ピノ・ノワールはソノマ・コーストで超エレガントなワインを作っているロス・コブの畑のブドウを使ったもの。桃井さんのワインはチャーミングな果実味を持ったものが多いですが、このワインはその中でもひときわエレガント。昨年も同ヴィンテージのものを試飲してお薦めに挙げていますが、1年たってさらにいい感じにこなれてきています。


樽の風味とマロラクティック発酵によるバターの風味を前面に押し出したのが大人気のブレッド・アンド・バター。輸入元はGrepe Offでしたが、昨年秋に輸入元が変更され、その代わりに輸入を始めたのがこのレベルリッジ・シャルドネ。樽の風味とバターの風味がしっかりあるのは同様ですが、酸もありバランスよく美味しいです。価格も2割ほど安くなります。


カストロ・セラーズのワイン、ずいぶんひさしぶりに飲みました。テーマ産地であるパソ・ロブレスのワイナリーです。インポーターはJALUX。どれも果実味豊かでジューシー、バランスよく美味しいです。


同じくJALUXからタリーのエステート・シャルドネ。酸がきれい。これほど高品質なシャルドネが5300円はコスパ高いです。


明治屋が輸入するウェンテのワイン。オープン価格ですが、どれも2500円くらいということで、コスパ高いです。特にメルローとカベルネ・ソーヴィニョンがお薦め。


オニール・ヴィントナーズの「バックハウス・カベルネ・ソーヴィニヨン」と「バックハウス・ジンファンデル」。輸入元はジェロボームです。どちらも1000円台でコスパ高いです。特にカベルネはいいです。ジンファンデルはちょっと甘系ですが、甘やかなワインが飲みたいときにはいいと思います。


エフセラーズが輸入するワインからグリーン&レッドのジンファンデル チャイルズ・ミル・ヴィンヤードとエインシャント・ピークスのワンストーン カベルネソーヴィニヨン。グリーン&レッドはバランス系ジンファンデル。有名レストランのシェ・パニーズで長年ハウスワインで使われているくらい食事に合うワインです。ワンストーン カベルネソーヴィニヨンはジューシーな果実味が美味しくコスパ高いです。


中川ワインが輸入するアルマ・デ・カトレア。今回ワインメーカーのビビアナさんが来日されていたので、ビビアナさんのワインだけ試飲しに行きました。レッドワインはシラー中心。ビビアナさんのワインの中では一番パワフルですが、ちゃんときれいさもあり美味しい。


いまさら紹介するまでもないワインですが、リッジのメルロ・エステート2013(1万円)とカベルネ・エステート2016(1万3500円)。メルローは果実味のやわらかさがいいです。カベルネはまさにお手本的ワイン。いろいろワインが高騰する中で、これくらいの熟成ワインがこの価格は安いと思います。


WINE TO STYLEのブースでは目についた一部のワインを試飲しました。ボニー・ドゥーンはローヌ系品種のパイオニア的ワイナリー。創設者のランドール・グラームのユニークなキャラクターでも知られていましたが、ここ10年くらいは輸入がなくなっていたかと思います。ル・シガール・ヴォラントはローヌ系赤でここの代表的ワイン。うまいです。ル・シガール・オレンジはオレンジワイン。うまみがにじみ出てくるワイン。ピクプールという品種にはなじみがない人が多いかと思いますがジューシーで良かったです。


ナパのオークノールにあるマッケンジー=ミューラー(インポーターはヴィレッジ・セラーズ)。左のナパ・ジャズはラベルが素敵ですがカベルネ・フラン主体で、ナパのカベルネ系としてはエレガントなワイン。個人的にはかなり好きです。右のカベルネ・ソーヴィニヨンは日本限定のワイン。ストラクチャーがしっかりしています。


テーマ産地のパソ・ロブレスの試飲コーナーはワイナリーごとのブースになっています。


比較的新しいワイナリーながら、パソ・ロブレスを代表するような人気ワイナリーになったダオ。輸入元はナニワ商会です。新しいヴィンテージでは特にレギュラー・クラスの「ディスカバリー」シリーズのカベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネがお薦め。どちらもリッチ系の味わいで、コスパ高いです。


セミナーでも試飲したピーチー・キャニオンですがバランスよくジューシーでコスパ高いのがウエストサイド・ジンファンデル。セミナーで試飲したナンシーズ・ヴューはエレガントで素晴らしいのですが、価格は倍します。コスパで見ればこちらをお薦めします。


タブラス・クリーク(インポーターはジェロボーム)は、パソ・ロブレスの中でも皆に尊敬される存在です。ローヌのシャトーヌフ・デュ・パプの名門「シャトー・ド・ボーカステル」のぺラン家がパソ・ロブレスに作ったワイナリー。ローヌ系品種をパソ・ロブレスに広げるために苗木の供給なども行っています。どれもきれいでバランスよくお手本のようなワイン。



J.ロアーからはプティ・シラーとセブン・オークスのカベルネをお薦め。プティ・シラーは濃厚な果実味がたまらないワイン。セブン・オークスは米国の15ドル以上のワインで売り上げ2位というベストセラー。ベストセラーになるだけあってバランスの良さが光ります。