Bonanza

ナパの人気ワイナリー「ケイマス(Caymus)」のオーナーであるワグナー・ファミリー・オブ・ワインの新しいブランド「ボナンザ(Bonanza)が急成長を遂げています(With Bonanza — a.k.a ‘Baby Caymus’ — the Wagner Family Strikes Gold Again | VinePair)。

2020年に市場投入し13万1000ケースを販売したボナンザは、2023年には約3倍の36万ケースに達し、2024年もその勢いは落ちていないといいます。今や人気ブランドのダオ(Daou)やJosh Cellars(ジョッシュ・セラーズ)と並ぶほどの勢いがあります。

「ベイビー・ケイマス」というニックネームもあるボナンザですが、ケイマスとはだいぶ違っています。

まず、ブドウはローダイのカベルネ・ソーヴィニヨンを使っています。ボナンザは市場価格22ドルほどで売られており、今や90ドルになっているナパのカベルネと比べると4分の1ほどの価格です。ヴィンテージを付けず、ロット番号だけを記しています。

また、ケイマスは、芳醇なスタイルで知られており、アンチ・ケイマスの人からは「砂糖でコーティングしたような」などと言われるほどリッチな味わいが特徴ですが、ボナンザは豊かな果実味という特徴は持ちつつも、やわらかいタンニンと、ちょっと軽めのスタイルに仕上げています。ミレニアル世代とジェネレーションZ世代が求めるような「ライトな赤」とまではいきませんが、そこに少し寄り添う面もあるようです。

米国のワイン通やソムリエの間では、あまり人気のないケイマスですが、消費者が求めるものを知っているというのは、かつてのメイオミ・ピノ・ノワールの大成功(2015年にコンステレーション・ブランズに売却)からもうかがえます。