ボルドーでは減反政策でブドウの樹が引き抜かれており、オーストラリアも巨大在庫にあえいでいますが、カリフォルニアも例外ではありません。2020年の山火事による収穫減や、2022年までの干ばつによる収穫減で、表面化していなかった「ブドウ余り」がついに現実のものになってきています(California Farm Bureau Reports 'Brutal' Wine Market Leaves Farms in Peril)。

多くのブドウ畑はワイナリーと契約を結んでブドウを栽培しています。通常は5年間などの長期契約を結びますが、それが切れた後に更新されないケースが増えています。契約なしに栽培されたブドウはスポットで市場に出てきます。これまではそれらも買い手を見つけることができていましたが、2024年はスポット市場の多くが買い手のないままになりそうです。ワイナリー側も在庫が多くて生産を増やす余裕がないのです。

400軒の栽培家のブドウを仲介するAllied Grape Growersのジェフ・ビター社長の試算によると、今年はスポット市場に出てくるブドウがカリフォルニア全体の3分の1に達するかもしれないとのこと。それらの多くが行き場がなくなってしまうかもしれません。

特に状況が厳しいのは、安価なワイン用のブドウを作っているセントラル・ヴァレー(インランド・ヴァレー)の栽培家です。ローダイのジンファンデルなども難しい状況に立たされています。