レーヴェンズウッド(レイヴェンズウッド、Ravenswood)の創設者であり「ジンファンデルのゴッドファーザー」と呼ばれたジョエル・ピーターソンが、5年ぶりに同ワイナリーに復帰すると、ワイン・スペクテーターが報じています(Zinfandel Icon Ravenswood Returns After a 5-Year Hiatus)。


ジョエル・ピーターソンは1976年にレーヴェンズウッドを設立。「軟弱なワインは作らない(No Wimpy Wines)」をモットーに、独自のジンファンデルのスタイルを築きました。ただ、出資者との間の金銭的な問題により、2001年にコンステレーション・ブランズに売却。その後もワイナリーにはとどまっていましたが、生産するワインが、安価なヴィントナーズ・ブレンドに集中する中で、現場からは遠ざかるようになりました。そして2019年にコンステレーションが30以上のブランドをガロに売却する方針を発表し(ガロ、コンステレーションからフランシスカン、レイヴェンズウッドなど30以上のブランドを取得)、2020年にはワイナリーやテイスティングルームが閉鎖し、オールド・ヒル・ランチなど、古木の畑との契約も終了して実質的に休眠状態になっていました。

なお、この間、ジョエル・ピーターソンは新たにワンス・アンド・フューチャーというブランドを立ち上げ、オールド・ヒル・ランチを含む単一畑のジンファンデルなどを製造しています。

その後、ガロ家のマット・ガロがブランドの再生を図るため、ジョエルに接触してきました。当初は懐疑的だったそうですが、議論を重ねるうちにガロがまじめに再生を図っていることがわかり、コンサルタントとして参画することになりました。ジョエルからのコメントは「しくじるんじゃねーぞ(Don’t F it up!)」だけだったとか。

当初は2022年ヴィンテージからの復活予定でしたが、2022年が熱波の影響であまりいいワインができず、2023年からとなりました。生産量は3400ケースで27ドルの「ドライクリーク・ヴァレー ジンファンデル」が1900ケース。あとはテルデスキ(Teldeschi)とマクマレイ(MacMurray)、モンテ・ロッソ(Monte Rosso)がそれぞれ500ケース。価格はモンテ・ロッソが70ドルであとは50ドルです。なお、モンテ・ロッソとマクマレイはガロが所有しています。

なお、ジョエルは今回の就任にあたり金銭的報酬を受けないとのこと。その分をジンファンデル・アドボケーツ&プロデューサーズ(ZAP)に寄付することにしています。