ナパ郡のワイナリー規制問題、ダラ・ヴァレのマヤさんが業界の先頭で立ち上がる

ダラ・ヴァレのマヤさんが、ワイナリーにおける業界向けテイスティングについて、昨今のナパ郡の方針に懸念を表明しており、SFクロニクルが記事で取り上げています。マヤさんはインスタグラムで以下のように記しています。
私は業界の問題の最前線に立ちたいわけでも、スポークスパーソンになりたいわけでもありません。そのことは私を知るほとんどの人は知っていることです。私はワイナリーや畑で静かに、自分の仕事に専念したいのです。しかし、私は私たちのビジネスのために戦い、姿勢を示さなければならない立場に追い込まれています。次の世代に確実に未来を残すために、私とともに身を挺して立ち向かってくれた業界の友人や同僚たちの支援に畏敬の念を感じるとともに、深く謙虚な気持ちになります。ワイン業界がこれ以上理不尽な規制を受けることに耐えられないという私の意見に賛同してくださる方は、次回3月25日(火)午前9時からのナパ郡監督委員会に出席してパブリックコメントを行うか、郡職員が貿易視察に対して取っている姿勢について懸念を表明するメールを書いてください。その際、不明な点などがあれば私に連絡してください。具体的に言うと、ダラ・ヴァレはテイスティング・ルームがなく一般の顧客は全く受け入れておりません。郡のルールでそうなっています。ただ、「トレード・ビジット」と呼ばれるような業界向けの訪問と試飲については受け入れています。テイスティング・ルームを持つワイナリーも、最大訪問者数は決められていますが、通常トレード・ビジットはそれとは別にカウントされています。実際、マヤさんが問い合わせたワイナリー20件ではどこもトレード・ビジットは訪問者数にはカウントされていませんでした。
ところが、昨今ナパ郡ではトレード・ビジットについても一般の顧客と同じように訪問者数にカウントしなければいけないというように運用が変わりつつあります。現実にはまだダラ・ヴァレなどでトレード・ビジットの受け入れが実際に禁止されたわけではないですが、ナパ郡の認識においてはルール違反ということになります。
今回の問題とは別に、ナパのフープス(Hoopes)は、テイスティング・ルームの許可が無効であるとして、即日閉鎖を求められています(フープス側は1990年までに作られた小規模ワイナリー向けの措置として認められていると主張しましたが、初審では敗訴しました)。
似たような裁判はほかにもあり、郡側が運用を恣意的に厳しくしているのではないかという見方もあります。
冒頭に書いたように、決して出たがりではなく、むしろ表に出るのを避けるタイプだったダラ・ヴァレがこういった動きに出るということが危機感の強さを表しているように思われます。