Archives

You are currently viewing archive for September 2024
Date: 2024/0916 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
2025年1月に試験が行われるナパヴァレー・ワイン・エキスパート認定試験の申し込みが始まりました。
NVV

1次試験と2次試験に分かれていること。1次試験の上位者のうち、ソムリエ資格のある人と、ワイン講師をしている人は2次試験に進めることはこれまでと同様です。ただし、これまではソムリエとエデュケーター1人ずつを最終的に選んでいましたが、今回は区別せずに上位2人をナパツアー招待という形になりました。

一般の方の場合は一次試験60点以上でエンスージアスト、70点以上でエキスパートの認定証がもらえます。エキスパートは別途ピンバッジを購入することも可能です。また、ワイン講師は85点以上でエデュケーターとして認定されます。エデュケーターは認定証とピンバッジがもらえます。

試験だけを申し込むこともできますが、教本やワイン試飲を含むウェビナーなどがセットになった受験セットで申し込むことを強くお薦めします。教本の内容は必須ですが、試験には教本以外の内容も含まれますので、ウェビナーである程度の指針がわかります。

ワイナリー情報の勉強には手前みそながら、電子書籍で出している「無敵のカリフォルニアワイン講座(ナパ編)」も役立つと思います。

Date: 2024/0910 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
英デカンター誌がポール・ホブズ(Paul Hobbs)のネーサン・クームズ・エステート(Nathan Coombs Estate)カベルネ・ソーヴィニョン2021年に100点を付けたとワイナリーが発表しました。
ラベル

ネーサン・クームズ・エステートはクームズヴィルがAVAに策定された翌年の2012年にポール・ホブズが取得した畑。ナパ市の設立者で、クームズヴィルの名前の元になったネーサン・クームズから名前を取りました。ソノマに本拠地を置くポール・ホブズにとっては、ソノマ外で初めて取得したブドウ畑であり、自社畑として初めてのカベルネ・ソーヴィニョンになりました。

クームズヴィルはナパ市のすぐ東側でナパの中ではカーネロスに次いでサンパブロベイに近いところ。冷涼なことと、火山のカルデラが中央にあり鉄分の多い火山性の土壌が中心になるのが特徴です。

null

個人的にもこれから注目の地域としてクームズヴィルをよく取り上げており、カベルネ・ソーヴィニョンやカベルネ・フランのトップクラスの産地になってくると思っていたので今回の快挙にはちょっとガッツポーズです。
Date: 2024/0907 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
デプトプランニングの試飲会からお薦めのワインを紹介します。


新入荷のコブルストーン ブラン・ド・ブラン(6000円)です。シャルドネ100%ですがリーン過ぎず、果実味も楽しめるスパークリング。


スペインの著名なサーフスポット「ムンダカ」をブランド名にしたソーヴィニヨン・ブラン(3800円)。作っているのは「モントレーのコスパ王」(アンディ命名)ことシャイド・ファミリー。ややリッチ系のソーヴィニヨン・ブランで美味しいです。


ダックスープ(Duxsoup)のシラー(3000円)。コスパ抜群です。リッチでフルボディ、酸もしっかりあって美味しいシラー。


GGディアーリのアメリカン・レジェンド ジンファンデル(3500円)。シエラフットヒルズのジンファンデルです。バランスよく美味しい。コスパ良いです。


最後にデプトプランニングが扱うソノマのワイナリー2つのワインを紹介します。まずはロシアン・リバー・ヴァレーの老舗デリンガー(Dehlinger)。2018年のシャルドネ(8000円)、2017年のピノ・ノワール(10000円)、2014年のカベルネソーヴィニヨン(12000円)のどれも素晴らしい。シャルドネは熟成で蜜っぽさがでてきています。ピノ・ノワールはロシアン・リバー・ヴァレーらしいリッチで芳醇なタイプ。カベルネ・ソーヴィニョンもロシアン・リバー・ヴァレーです。10年熟成で複雑さがかなりでてきています。リッチで芯のしっかりしたカベルネ。


マルベックで100点を取るなど注目を集めるワインメーカー ジェシー・カッツのアパーチャー・セラーズ。ソーヴィニヨン・ブラン(12000円)、カベルネ・ソーヴィニョン(18000円)、オリバーランチのカベルネ・ソーヴィニョン(35000円)。いずれもかなり高額ですが、それだけの実力があります。ソーヴィニヨン・ブランはボルドータイプのリッチで樽を利かせたもの。複雑さもあり高級感が漂います。カベルネ・ソーヴィニョンはモダンでリッチなスタイル。オリバーランチのカベルネはより酸が高く芳醇。すべてにおいてレベルの高いカベルネ・ソーヴィニョンです。

Date: 2024/0907 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
元Patz&Hallで、現在はMaritana VineyardsやSecret Doorを持つドナルド・パッツさんがFacebookに挙げていた写真が面白かったので紹介します。

Patz

これはソノマのロシアン・リバー・ヴァレーにあるRegina's Vineyardのシャルドネとジンファンデルの1房です。シャルドネは高品質で知られるOld Wenteクローン。Old Wenteはブドウの実が小さく、凝縮した味わいになり、皮の比率が大きいことから、皮からの複雑さも生まれると言われています。

一方、ジンファンデルは皮が薄くて大きな実ができる品種。Old Wenteと比べたら一目瞭然で大きいのがわかります。おそらく房の重量だと3倍くらいになりそうです。ブドウ畑の列が1つ違うだけなのでテロワールはほとんど変わりませんが、ジンファンデルの方が収量は大きくなります。

Kongsgaard
参考のためにこちらは、コングスガードのジャッジの畑のシャルドネ。非常に痩せた土壌で、20年以上の樹齢にもかかわらず、幹の太さが直径5cmくらいにしかなりません。同じOld Wente(厳密に言うとOld Wenteにもいくつかバリエーションがあるので全く同じではないかもです)ですが、こちらはさらに房が小さく、にぎりこぶしよりも小さいくらい。

この房の小ささが素晴らしいワインを産んでるのですね。

ト・カロン
最後に、こちらはナパのオークヴィルのト・カロン・ヴィンヤードの中でも高品質なカベルネ・ソーヴィニヨンを作る「モナスタリー・ブロック」のカベルネ・ソーヴィニョン。「ヘリテージ・クローン」と呼ばれるクローンで、ジャッジと比べても小さな房ができます。
Date: 2024/0906 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
しあわせワイン俱楽部が楽天スーパーセールに合わせてセールをしています。

一番の目玉はダイアトムのシャルドネ2022年。税込み4000円台でスペクテーター92点です。樽を使わない「すっぴん」系のきれいなシャルドネ。ワインメーカーはブリュワー・クリフトンでも知られているグレッグ・ブリュワーです。



もう一つシャルドネの目玉がHyde de Villaineのシャルドネ2020。13860円と高価ですが、ワイン・サーチャーの平均価格が92ドルですからほぼ現地価格といっていいでしょう。こちらはダイアトムとは対照的に樽をしっかり効かせたシャルドネです。


赤のコスパ系ではワシントンのシャトー・サン・ミシェルのカベルネが安いです。ワイナリー17ドルがなんと2000円。ヴィンテージは違いますがワイン・エンスージアストでベストバイ1位を取ったこともあるコスパ系のワインです。



ラック&リドルのスパークリングも安いです。通常3000円程度なのが2233円。スパークリングワインの醸造を他社から請け負うカスタム・クラッシュが作るワインで、その実力は折り紙付きです。もちろん瓶内二次発酵方式。ブリュットとブラン・ド・ブランが同価格。個人的にはブリュットの方が好きです。



コン・クリークの2003年のカベルネ・ソーヴィニヨン トルシャード・ヴィンヤードは6160円。単一畑の熟成ワインでこの価格は貴重です。


2割引のコーナーからは、まずはウルトラマリンのロゼを紹介します。
3万9600円は高価ですが、いまや国内で5万円切るのも貴重なレアワイン。カリフォルニアのスパークリングの最高峰といっていいでしょう。


ターリーのジンファンデル「ジュヴナイル」は若木を使ったワイン。5000円切りは貴重です。


ナパのオークヴィルのカベルネ・ソーヴィニヨンとしては最安だと思われるのがアナベラのプラティナム。3454円は1ランク下のナパヴァレーのカベルネと比べても400円くらい安くなっています。オークヴィルAVAは伊達でなく、実際飲んでもナパヴァレーよりも1ランク以上美味しいカベルネです。カベルネ好きならマストバイ。


バレルバーナーのシャルドネは2376円。樽系のシャルドネが好きな人なら飲むべきワインです。


最後はバージェスのコンタディナ カベルネ・ソーヴィニヨン。ナパのカベルネ・ソーヴィニヨンの中でも貴重な山系のワイン。AVAはナパヴァレーですが、畑はハウエル・マウンテン沿いの2つの畑(ハウエル・マウンテンAVA外)。山らしいしっかりとしたストラクチャーを楽しめます。


Date: 2024/0904 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ナパの観光局「Visit Napa Valley」が2023年に観光客のデータを発表しています。それによると2023年はのべ370万人がナパを訪問。これは2018年の390万人は下回るものに、2012、2014、2016年を上回っており、コロナ前の状態にほぼ回復したと言っていいでしょう。

null
人種や性的嗜好で見ると、ラテン系やアフリカ系アメリカ人が増えており、アジア系は少し減っています。LGBTQの人はかなり増えています。

興味深いのは平均年齢で2023年は40歳。2018年の46歳から6歳若返っています。そのあたりの理由が気になりますが、今回は統計データを公開しているだけで分析はないので、わかりません。

そのほかで気になったデータとしては、ビジターが使った金額で一人当たり1日平均281ドルと出ています。グループの人数と滞在日の平均は3~4、2日間となっているので、3人で2日間滞在したとすると1686ドル。合計で25万円近く費やすことになります。
Date: 2024/0903 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアワイン界の奇人・変人を10人挙げるとしたら、間違いなく入るであろう一人がボニー・ドゥーンの創設者であるランドール・グラームでしょう。
randall grahm

ローヌ品種の先駆けであり、人を食ったようなユニークな言動で知られる彼ですが、ワインに対しては真摯であり、ビオディナミによる栽培にも早くから取り組んでいます。

彼が2015年から始めたのが、交配によって新しい品種を作り出すというプロジェクト(「1万種の品種を作るランドール・グラームの壮大なプロジェクト、クラウド・ファンディングで出資者募集中、あなたの名前がブドウに付けられる」)。

その後プロジェクトはこのための畑ポープルシュームの開発に比重が移っているようではありますが、今も新しい試みは続いています。

その一つがシラー(彼は古い名前のセリーヌで呼んでいます)による白ブドウ。シラーの親は黒ブドウと白ブドウであり、通常は黒ブドウの遺伝子が優性で、黒ブドウがなりますが、シラー同士を交配すると、約4分の1の確率で白ブドウができるというのです。そういったシラーによる白ブドウのクローン65種を作って1.75エーカーのブロックに植えています。順調であれば2025年に「セリーヌ・ブランシュ」の収穫ができる見込みだといいます。

このほか、ドラマ「フライデー・ナイト・ライツ」などを作った映画/ドラマ監督ジェフリー・ライナーがランドール・グラームのドキュメンタリーを撮影していることも明らかになりました。順調にいけばこちらも2025年に公開される見込みです。ランドールは自分の「スワン・ソングになるかも」と言っているので、もしかすると引退を考えているのかもしれません。

常に挑戦を続ける姿勢、見習いたいものです。