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Date: 2024/0829 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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MacPhail

ソノマのワイナリー「マックファイル(MacPhail)」を創設者であるジェームズ・マックファイルが買収しました。

マックファイルは2001年に設立。畑は持たず、買いブドウでピノ・ノワールを作る、当時雨後の筍のように増えいていたワイナリーの一つでした。ラベルにアメリカの子供のおもちゃとして有名な「ラジオフライヤー」社のワゴンのデザインを使うなど、ちょっとポップで明るい雰囲気を醸し出すワイナリーでした。

2008年に火事の後の煙の影響でワインを造るのをやめ、その後リーマンショックなどの影響で経営は厳しく、2011年にヘス・コレクションのオーナーであるヘス・パーズソン(Hess Pursson)に売却し、その後は他のワイナリーでコンサルティングワインメーカーとして働いていました。

ヘス・パーズソンはヘス・コレクションを中心にいくつかのワイナリーを持っており、マックファイルは子供のサブリナとティモシーが管理していました。ブランドの一貫性のためにいくつかのワイナリーを売買するなかで、マックファイルのようなブティック系のワイナリーは、ポートフォリオにあまり合わないと判断されたようです。

今後はアンダーソン・ヴァレーのピノ・ノワールなど単一畑の少量生産のワインを造っていきたいとのこと。

今年は3月にジェームズ・ホールがパッツ&ホールを買い戻すというニュースもありました。自身の名前の付いたワイナリーも売却することが珍しくないカリフォルニアで、その逆の動きが相次いで起こったのも興味深いことです。
Date: 2024/0828 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのワイナリー「クインテッサ(Quintessa)」のワインメーカーであるレベッカ・ワインバーグさんが来日し、アンダーズ東京でのランチ・ミーティングに参加しました。


クインテッサのワインは2017年のヴィンテージから毎年ハーフボトルを送ってもらって試飲しています。今回は最新ヴィンテージの2021年だけでなく、2019年、2014年、2000年のワインも比べて飲む機会となりました。
<参考>過去のヴィンテージの記事
進化を遂げつつあるナパの隠れた自然派「クインテッサ」の魅力
クラシックスタイルのトップ級、さらに進化するクインテッサ
クインテッサ2019は傑作2018を超える!?
災難の年2020、クインテッサのできはどうだったか?

オープナーのワインは、クインテッサが同名のワイン以外に唯一作っているソーヴィニヨン・ブランの「イルミネーション(Illumination)」2023年です。9月に出荷を始める予定の最新ヴィンテージです。国内ではファインズが輸入する予定です。

イルミネーションは唯一自社畑以外のブドウを使っているワインでもあります。ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンのブレンド。セミヨンはカリストガの古い畑で、自社畑はソーヴィニヨン・ブランのウェンテ・クローン1と呼ばれるカリフォルニアで一番主流のクローンに加え、香りの華やかさで知られるソーヴィニヨン・ムスケも植わっています。このほか、ソノマのベネット・ヴァレーにも自社耕作の畑をリースで借りています。ベネット・ヴァレーのソーヴィニヨン・ブランは畑は別ですが、ビーヴァン・セラーズも使っていて、個人的にはソーヴィニヨン・ブランの産地としてかなり期待しているところです。レベッカに、ベネット・ヴァレーの畑を使う理由を聞いたところ「ほどよく温暖でソーヴィニヨン・ブランには一番いいと思っている」とのこと。ナパのソーヴィニヨン・ブランは畑が足りない状態なので、今後ソノマのこのあたりのブドウを使うところはかなり増えるのではないかと思っています。

セミヨンを使っているのでボルドー系かロワール系かといえばボルドー系のスタイルになりますが、明るい酸味を持たせたいとしています。全房でプレスすることでピュアな果汁を出し、ニュートラルな樽(6割)に加え、コンクリートエッグ(2割)、ステンレスタンク(15%)、新樽、アカシアの樽と5種類の発酵容器を使っています。コンクリートエッグはミネラル感、ステンレスはピュアさ、アカシアの樽はフローラルなキャラクターを与えるのに役立つとのこと。5~6カ月、ときおりバトナージュしながら熟成させてボトル詰めします。MLFは行いません(PHが低いのでMLFが起こらないとのこと)。

イルミネーションの2023年はフレッシュさとリッチさが両立した味わい。グアバや明るい柑橘系を感じます。ボルドースタイルですがリッチさが前面に出ず、まずフレッシュな味わいが来て、あとから複雑さを感じます。ナパのソーヴィニヨン・ブランの中でもユニークなスタイルで非常に魅力的。個人的にも一番好きなソーヴィニヨン・ブランの一つです。

レベッカさんは今年がクインテッサで10年目のヴィンテージ。ナパで20年ほどのキャリアを持っています。クインテッサ以前はスタッグリン(Staglin)、ラッド(Rudd)、ブッチェラ(Buccella)と、そうそうたる経歴です。土地の個性をワインに表現できるところを探していてクインテッサに行きついたそうです。



クインテッサはナパのラザフォードに110ヘクタールに及ぶ地所を持っています。ナパでも最も美しい場所の一つといっていいでしょう。

中央の貯水池はこの地所の前のオーナーが作ったものだそうですが、前オーナーのときは畑として使われていたわけではなく、クインテッサになってから初めて耕作され、最初から有機栽培(1996年からはビオディナミ)されているので、一度も農薬が使われていない土地です。さらには以前から植わっている樹も1本も切り倒していないとのこと。当初から樹が生えていないところだけを畑にしています。ブドウ畑は60ヘクタールほどになります。

ブドウの樹も当初に植えたものが35年ほど経った今も60%程度残っています。近年は剪定の専門家として知られるマルコ・シモーネのアドバイスを受け、古い樹がまたいい実を付けるようになってきたそうです。カベルネ・ソーヴィニヨンはまだ20年くらいは持つのではないかとのことです。樹齢が高くなると、土地とのバランスが自然に取れてくるそうです。

クインテッサのワインは食事をしながらいただいています。また、話をしながらコメントを書いているので、あまり詳しいテイスティングコメントは書けていません。

最新の2021年は例年に比べるとやや赤果実系の味わいが少なく、黒果実系が強くなっています。カシスにミント、杉。リッチで芳醇、複雑性も高いのは例年通り。

この年は干ばつで雨が極端に少なく、気温も高めでした。その特徴が出ているワインです。レベッカさんはこのヴィンテージが個人的には一番好きだとのこと。レベッカさんの感じる畑の土や樹などの印象が表れているとのことで、ワインメーカーでないとわからない感覚かもしれません。

また、この年は初めて発酵にアンフォラの容器を3%ほど使っています。好気的な環境での発酵という意味では樽と共通しますが、樽のような風味を与えず、ワインにフレッシュな味わいを増やすことを期待しているとのことです。また、酸素の影響するパターンが樽とは少し違うそうで、このあたりはまだ作って試している段階です。

2019年はおととし試飲したときに非常に印象の良かったワイン。過去4ヴィンテージでは2018と2019が個人的にはベストでした。今回もその印象は変わらず素晴らしいワインでした。2021年と比べると赤果実の味わいがあり、酸もやや高いのが特徴です。セパージュの比率は特に変わっていないのですが、カベルネ・フランのような味わいがあります。

2014年はミントの風味や五香粉のようなオリエンタルなスパイスの風味がありとても複雑。熟成により腐葉土やマッシュルームのニュアンスもでてきています。ワイン全体としてはやや柔らかな印象。ナパのカベルネ系ワインは果実味が強すぎて熟成による魅力があまり出てこないケースもありますが、クインテッサは元々が果実味に頼った作りではないので、熟成感がきれいに出てきます。

最後のワインは2000年。これくらい古いものになるとレベッカさんもほとんど試飲する機会がないとのことで選んだそうです。腐葉土やマッシュルームが2014年よりもより顕著になります。果実味も少し残っていますが、だいぶ落ちています。レベッカさんは「ちょっとブレットもある」とのこと(私はあまり感じなかったですが)。2000年というヴィンテージ自体がやや弱めのワインが多いこともあり、近年のクインテッサに比べると、ちょっと質が低いかもしれません。

クインテッサ、以前はカベルネ・ソーヴィニヨンが5割くらいで残りはカベルネ・フランとメルローが半々くらいでした。2021年だとカベルネ・ソーヴィニヨンが91%、以下カベルネ・フラン4%、カルメネール3%、メルロー1%、プティヴェルド1%となっています。今後はカルメネールが増える可能性が高そうです。個性としてはメルローに近いものがありますが、メルローは暑い環境に弱く、カルメネールは強いというのが理由です。

アンダーズ東京の料理はどれも素晴らしかったのですが、特筆したいのがラム。ラムはワイルドさがクインテッサの複雑さやハーブのニュアンスと合うとのことで、ワイナリーから指名があった食材だったそう。普段はアンダーズではラムを出していないのを特別に調理いただきました。これが絶品で、骨までしゃぶりたいほどでした。




Date: 2024/0813 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Common Ground
ナパ在住の弁護士であり、デザートワインに特化したユニークなワイナリーも持つリチャード・メンデルソンが、「Common Ground」という新しい書籍で、これからのナパの在り方について提言しています。ワイン・サーチャーの記事から紹介します(Ranking Napa's Vineyard Areas)。

提言の一つはラベル表記に関するもので、「Napa Valley」を冠するワインはナパ産のブドウを100%使うべきだとしています。米国のルールでは「Sonoma County」などの郡名は75%以上、「Napa Valley」や「Oakville」などのAVA名は85%以上、「To-Kalon Vineyard」などの畑名は95%以上、「Estate Bottled」は100%自社畑自社醸造などとなっています。85%以上というのはほとんどの新世界の生産地で共通しています。

これを「Napa Valley」でも100%にすべきだというのがメンデルソンの提言で、ナパは他の新世界のワインと区別するためにも100%にするべきだとしています。

もう一つの大きな提言は収穫の場所だけを制限する現在のルールを越えて、品種の指定や酸度、糖度、アルコール度などワインそのものの制限を含めたEUのAOC式のルールを検討すべきだというものです。

もちろん、このルールには反対意見も多いでしょう。EUでもAOCなどの原産地呼称に縛られず、自由にブドウを栽培したいという生産者も増えていますし、ナパでも植える品種を制限されるなんてまっぴらと思う人が多いでしょう。メンデルソンは自身弁護士であり、ルールに敵対するようなことを積極的に行うタイプでもない人なので、これはTTBなどのルールにするよりも民間の認証にするといった考えの方が合っているかもしれないとしています。

実際に導入するとなったらさらに物議を醸しそうな提案もあります。それは郡が事前に未開発の土地の地図を作成し、どの地域がブドウ畑に適していて、どの地域が適していないかを決めておくというものです。これが実行されると、しばしば起こる開発の認可の訴訟はなくなっていくでしょうが、これも米国人が嫌いそうな考え方ではあります。

ナパは1968年に農業用地の保護法を全米で初めて定め、それがサンフランシスコに近い便利な土地でありながら農業が残った大きな理由になりました。メンデルソンによると、その基本的な考え方は、農業は土地の最高かつ最良の利用法である、ということです。今のナパでは環境保護の観点から斜面における木の伐採はほぼ認められなくなっており、そのため斜面の畑の新たな開発ができなくなっています。メンデルソンは、これは農地保護法の考え方と反対であり、実質的に「平らな土地は畑にしていいが、丘や尾根はダメ」という土地のランク付けになっていると指摘しています。前述の「未開発の土地の地図とブドウ畑にしていい土地を決めておく」というのは現在のやり方よりも農業が最良の利用法であるという保護法の精神により近いというのがメンデルソンの考えです。

この方法を実現するには極めて高い壁がありそうですが、ある意味根本に立ち返った提案ということで非常に興味深いものがあります。


Date: 2024/0807 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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8月5日に2024年のナパヴァレーのブドウの収穫が始まりました。従来、収穫の開始は糖度が比較的低い段階で収穫するスパークリングワイン向けのものが先行していましたが、近年はソーヴィニヨン・ブランが先に来ることも多くなっていました。

2024年はどちらも同じ日に開始。これまでのところ生育状況は問題なく、良いヴィンテージになりそうです。

ラウンド・ポンドではラザフォードの畑でブランドブラン用のシャルドネの収穫が皮切りとなりました。糖度は18.3~18.7Brix、総酸度は10.5g/Lから11.5g/Lという状況だそうです。

Pejuではナパの南東地域からのソーヴィニヨン・ブランが最初の収穫。Honigでは8月13日ころにソーヴィニヨン・ブランの収穫を見込んでいます。ロバート・モンダヴィは8月19日の週にスタッグスリープかオークヴィルで始まる見込み。

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Date: 2024/0807 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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現地価格より全然安い、ローダイのコスパカベルネという記事で紹介した「ビッグ・スムース カベルネ・ソーヴィニョン」。その後、売り切れ状態が続いていましたが、在庫が戻ってきています。

ビッグという名前ですが、ミディアムボディで非常に飲みやすいワイン。スムースの方はまさにその通りという感じです。

柳屋です。


しあわせワイン倶楽部


タカムラワインハウス

Date: 2024/0806 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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米国のUSA Todayのサイトに、米国のワイナリー・ツアーのベスト10の記事が出ていました(Get an insider's look with the 10 best winery tours in the US)。

No. 10: Neal Family Vineyards - Angwin, California

10位はナパのハウエル・マウンテンにあるニール・ファミリー。ワイナリーのケーヴなどが見られるほか、有機栽培の畑なども見学できます。

No. 9: Cline Family Cellars - Sonoma, California

カーネロスのソノマ側にあるクライン・セラーズ。
マップをもらって自分で回る形式だそうです。

No. 8: Buena Vista Winery - Sonoma, California

8位もソノマで、カリフォルニア最初の商用ワイナリーとして知られている「ブエナ・ヴィスタ」。ジャン・シャルル・ボワセがオーナーになっていろいろテコ入れしたのがよかったようです。

No. 7: Benziger Family Winery - Glen Ellen, California

ソノマヴァレーにあるベンツィガー・ファミリー。トリムに乗って回るのが有名なところです。ビオディナミを実践しています。

No. 6: Inglenook - Rutherford, California

6位はナパのラザフォードにあるイングルヌック。歴史あるワイナリーであるのと同時に、映画監督のコッポラ所有で映画に関連した展示も見られます。

No. 5: Ken Wright Cellars - Carlton, Oregon

5位はオレゴンのケン・ライト・セラーズ。オレゴンのワイナリーも行ってみたいです。

No. 4: Robert Hall Winery - Paso Robles, California

4位はパソ・ロブレスのロバート・ホール。再生可能型の農業を実践しています。

No. 3: Eberle Winery - Paso Robles, California

3位もパソ・ロブレスでエバリー。パソ・ロブレスにおけるシラーのパイオニアとして知られています。

No. 2: Davis Estates - Calistoga, California

2位はナパのカリストガからデーヴィス・エステート。ハワード・ベッケンという人が設計したワイナリーが見ものなようです。

No. 1: Dr. Konstantin Frank Winery - Hammondsport, New York

1位はニューヨークのフィンガーレイクにあるドクター・コンスタンティン・フランク。フィンガーレイクのパイオニアとして知られています。ニューヨークのワイナリーも興味深いです。

総じて、有機栽培やビオディナミ、再生可能型農業に取り組んでいるところが多く選ばれているようです。ワイナリーツアーも醸造から栽培へと興味が移っているということでしょうか。


Date: 2024/0804 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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8月16日に、「カリフォルニアワインの玄関口」をオープンしてから25周年を迎えます。今年は年齢的にも区切りの年となりますので、記念パーティを開きたいと思います。実は春先からずっとやるやる言っていたのですが、なかなか企画に本腰が入れられず、ようやく概要が決まりました。

25ans

日時:9月23日(月・祝)12:00~17:00(12:00~14:30 第1部、14:30~17:00 第2部)
場所:イルドコリンヌ
 東京都大田区西馬込2-14-23 佐田コーポ1F
 03-6429-7062
 都営浅草線西馬込駅徒歩5分
会費:1万円(1999年産のワインをお持ちいただいた方は5000円)

なるべく多くの方に来ていただきたいので、緩い2部制にします。緩いというのは第1部の人が14:30以降に残っていただいてもいいし、第2部の方が早く来られても構いません。ただし、だいたいの人数の目星をつけたいので、参加表明される際は第1部か第2部か(および1999年産のワイン持参予定があるかどうか)お知らせください。

13時と16時くらいにグッズが当たる抽選会を行う予定です。こちらは一人1回の参加にさせていただきます。

申し込みは以下のフォームあるいは各種DMで承ります。
申し込みはこちらから

また、ワインのドネーションも歓迎します。
Date: 2024/0804 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Xの友達のマニアックなワイン会に参加してきました。



メモも全く取っていないので、クソ簡単な感想だけですが、セリタスのピノはエレガントきれい系ですばらしい、メイバック(マイバッハ)はきれいだけど濃い、Tidingsのカベルネは山系好きにはたまらない(Moon Mountainは隠れたカベルネの名産地など再確認)、Betaはちょっと酸化していた(コラヴァンで半分以上開けてから半年放置だったとか)けどおいしい、ラジオ・コトーのジンファンデルもクールクライメット系。サンドランズのカリニャンは、この日の中では一番暖かい産地(Lodi)だけども酸がしっかりあってジューシーで美味。こう見るとほぼ冷涼系ワインばかりですね。

私が持って行ったのは、ドメーヌ・カーネロスのル・レーヴ2014。シャンパーニュのテタンジェがカリフォルニアで作るスパークリングのフラッグシップです。100%自社畑のシャルドネを使ったブランドブラン。
偶然ですが、もう一つ泡でお持ちいただいたのがテタンジェのコント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2012。テタンジェのブランドブラン同士ということで図らずも飲み比べになりました。

泡音痴な私ですが、これはいいですね(そりゃいいに決まっている)。ブランドブランだけあってきれい系で味わいの深みもある。泡のきめのこまかさは瓶熟8~10年というコントが5年半というル・レーヴを上回っていましたが、泡が抜けたら区別できないくらい味わいはよく似ていました。価格的には今でもル・レーヴの方が1万円以上安いですから、いいと思います。ちなみにこれを買ったのは、まだ日本の価格がうそのように安かった8000円台のときでした(といってもまだ1年くらい前のことです)。

みなさま貴重なワインをありがとうございました。
Date: 2024/0801 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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米国の大手ワイナリー「ヴィンテージ・ワイン・エステート」が米国破産法11条、いわゆるチャプター11(イレブン)を申請しました(Vintage Wine Estates, Inc. Announces Bankruptcy Filing and Voluntary Delisting and SEC Deregistration)。チャプター11は日本の民事再生法に相当し、今後は負債を削減して行って企業再生を目指します。

ヴィンテージ・ワインが倒産の危機であることは5月に「ジラード、クロ・ペガスなどのオーナー企業が倒産の危機」という記事で記しています。

同日、ヴィンテージ・ワイン傘下だったナパのコセンティーノのワイナリーなどを、ナパのブリオンとBワイズを所有するビリオン・ワイズが購入したことを明らかにしました。売却額は1050万ドルです。

また、同時にオハイオ州最大のワイナリーであるメイヤーズ・ワイン・セラー(Meier's Wine Cellar)もチャプター11を申請しました。ヴィンテージ・ワインは2022年にメイヤーズを買収し、その後も独立したワイナリーとして運営していましたが、倒産は同時にという形になりました。

ヴィンテージ・ワインが所有するのは以下のワインやスピリッツのブランドです。国内輸入があるものはジラード、クロ・ぺガスなどです。
Ace Cider
Alloy Wine Works
Bar Dog
B.R. Cohn
Buried Cane Wines
Cameron Hughes
Cartlidge & Browne
Cherry Pie
Clayhouse Wines
Clos Pegase
Cosentino Winery
Delectus Winery
Firesteed Cellars
Gaze
Girard Winery
Girl & Dragon
If You See Kay
Kunde
Laetitia
Layer Cake
Middle Sister Wines
No. 209 Gin
Owen Roe
Purple Cowboy
Qupe
Sabotage
Sonoma Coast Vineyards
Swanson Vineyards
Tamarack Cellars
The Splinter Group
Viansa
Vinesse
Windsor Vineyards
Wine Sisterhood