ナパで最も有名な畑であり、世界的に見ても、最高のカベルネ・ソーヴィニヨンの畑の1つといって過言ではないトカロン・ヴィンヤードに関連して、2017年には2つの大きな出来事がありました。
To Kalon Vineyard - Robert Mondavi Winery
1つはトカロンのワインで「パーカー100点」を輩出しているシュレーダーを、トカロンの大部分を所有するロバート・モンダヴィのオーナーであるコンステレーション・ブランズが買収したこと(特報:コンステレーションがシュレーダーを買収)。

もう1つはコンステレーションがトカロンに関して新たな商標を登録し、スター・ワインメーカーであるアンディ・エリクソンの元で新しいワイナリーを始めようとしていること(コンステレーション、アンディ・エリクソンを得て「トカロン」ブランドのワイン投入へ)。

この、後者について、コンステレーションが商標登録を諦めたという記事が出ていました(The battle over To Kalon continues as Constellation abandons trademark push - San Francisco Chronicle)。

コンステレーションが登録しようとしていたのは「To Kalon Wine Company」「To Kalon Vineyard Company」「Rooted in To Kalon」の3つで、中でも「To Kalon Wine Company」を上記のアンディ・エリクソンのワイナリー名に使う計画だったとのこと。商標登録をやめた理由については明らかにしていませんが、どうやら以前トカロンの名前で係争した後、和解したアンディ・ベクストファーに忖度したようです。

トカロンに関しては、もう1つの動きがあり、オリジナルのトカロンの一部を所有するマクドナルド家のグリーム・マクドナルドが、畑の中を流れる小川について「To Kalon Creek」という名前を付け、それが承認されました。実は地図上に「トカロン」の名前が正式に載るのはこれが初めてのこと。トカロンの名称については「土地の名前」なのか「ブランドの名前」なのかという論争が前述の係争のときに起こったのですが、和解してしまったため、そこには結論は出ていません。今回のトカロン・クリークは長期的にはこの問題に関連してくる可能性があると考えられています。

なんだかトカロンだけで本が一冊書けそうなほどいろいろなことが起こっていますが、ややこしくてわからんという人は、「トカロン・ヴィンヤードの謎を解く【保存版】 « カリフォルニアワインのお勝手口」をご覧になってくださいませ。