缶入りワインの急増が止まりません。ニールセンがこのほど発表したデータによると、2018年8月から2019年7月の米国における缶入りワインの売上は9300万ドル。前年から2400万ドル上昇と、急増ペースは衰えていません(Why Consumers Purchase Wine in Cans)。
缶入りワイン
気になるのは、だれがどういうときに飲んでいるかということですが、データによるとワインの知識レベルとはほとんど関係なく、ボートの上で飲むなどシチュエーションが大きな要素を占めているようです。このほか、飲む量のコントロールやコストの節約といった要素もあります。
サイズ別好み
今後さらに伸びる要素としては、サイズの問題があります。現在、缶入りワインの主流はハーフボトルに相当する375mlのサイズですが、調査によると1/3ボトルに相当する250mlの方がいいと考えている消費者が多くいます。また、1/4ボトルに相当する187mlも375mlよりも人気があります。

現在のレギュレーションでは250mlの缶入りワインは4本パックで販売しないといけません。これがバラ売りできるようになれば、250mlの缶入りワインは急増する可能性があります。さらには現在、あまり供給がない187mlのものも増えれば、そちらへのシフトもあるでしょう。多くの消費者が缶入りワインを飲み切るサイズとしては375mlでは多いと感じるのはうなずけます。

缶入りワインを提供するワイナリーも増えています。2018年6月には125のプロデューサーが350種(SKU)の缶入りワインを提供していましたが、2019年6月には300のプロデューサーが900種提供と倍以上に増えています。さらにこの8月には375のプロデューサーで1000種に達したとのこと。

ビール最大手でバドワイザーなどを擁するアンハイザー・ブッシュ・インベブはBABEという缶入りワインのブランドをこの6月に買収。さらに缶入りワインがコンシューマーに広がる可能性が高まりました。



この7月には初の缶入りワインだけのワインコンペティションも開かれました。赤ワインではInsomnia Wineのカリフォルニア・ピノ・ノワール、白ワインではサンズ・ワインのナパ・ヴァレー・リースリングがベスト・オブ・ショーに選ばれています。