もう2008年も4日目であり,既にいくつかの記事を書いていますが,昨年の総括ということで10大ニュースを発表したいと思います。

10位:拡大続けるWilliam Foley
サンタ・バーバラ地域でワイナリを営んでいたFoley氏が急速に買収攻勢を進めました。まずはBrewer-Cliftonなどでもブドウが使われているAshley'sの畑,8月にはFirestone Vineyardsの買収を発表しました。そのときにナパなどでもブランド買収を考えている旨明らかにしていましたが,早くも12月にMerus買収という形で現れました。Firestoneの旧オーナーのインタビュー記事の話もありました。

9位:ナパの新ワイナリ
観光客が多いナパだけあって,建物などに趣向を凝らした新しいワイナリができています。V. SattuiのDaryl Sattui氏はCastello di Amorosaというお城のようなワイナリを構築ツアーもワインより建物が主体のようです。Quixote(キホーテ)も2007年にワイナリをオープン。オーストリアの建築家Friedensreich Hundertwasserがデザインしたユニークな建物です。記事には書いていませんが,Craig Hall氏のHall Wineryも有名建築家が設計したワイナリを構築することを明らかにしています。

8位:やっぱりピノが好き
特にどの記事というわけではありませんが,ブドウの品種別に見るとピノを取り上げることが圧倒的に多くなっています。読者向けアンケートの結果を見てもピノが好きな人がダントツ1位。新しいワイナリがどんどん出てくる楽しさや,評論家などによる評価の高まりがその理由でしょうか。

7位:AVAで論争
カリフォルニアのワイン業界的に言うとこれが一番大きなニュースかもしれません。新しいAVAを作るときに,既存のワイナリと名前がかぶっていたらどうするか(Calistoga,関連記事1関連記事2),大きなAVAの中に小さなAVAを決める際のルールはどうあるべきか(Paso Robles,関連記事3関連記事4関連記事5)が紛糾を続けています。2008年に持ち越されたテーマでもあります。

6位:自然派の勃興
Biodynamics(ビオディナミ)に代表される自然派や,Sustainable(持続可能な)ワイン作りなど,自然に優しいワイン作りへの注目が高まっています。前者ではBonny Doonがビオディナミへの全面的転換のためにBig Houseなどの人気ブランドを売却した(2006年)ことなどが象徴的。シンポジウムも開かれましたし,ワイン掲示板でも大きなテーマになっています。後者では太陽電池が象徴的。ちょうど1年前にはソノマのClineがシャープのCMに出ましたが,Grgich HillsMontelenaも太陽電池化を果たしています。

5位~1位は次の記事で。