NYTimesのブログ「The Pour」にBonny DoonのRandall Grahmのインタビューが掲載されています。最近紹介したインタビューと基本的には似ていますが,分かりやすくよくまとまっていると思います。

今回のインタビューの焦点は2007年にBig House Redなどの売れ筋ブランドを売却した理由のあたり。Grahmは次のように語っています。
"My wines were O.K., but was I really doing anything distinctive or special? The world doesn’t need these wines — I was writing and talking about terroir but I wasn’t doing what I was saying. I wanted to be congruent with myself."

The Pour - His Big Idea Is to Get Small

自分のワインは,なくても困らないようなワインであり,そうでなくて自分にしか,その土地でしかできないワインを造りたいというのが,この売却の最大の理由だったということです。それにしても生産量45万ケースから3万5000ケースと10分の1以下にしてしまうのですから,普通ではできない決断です。

そして,今後のワイン作りについては
“I don’t want to rely on winemaking tricks anymore”
中略
“You can’t make an original wine that way. You can make something clever or artful, but not great.”


と,人為的でないワイン作りを目指します。そして,Soldadにある自社畑では灌漑なしにブドウが作れないため新しい畑も購入します。新しい畑はSanta Cruzから35マイル東にあるSan Juan Bautistaという町で北東向きの斜面という一般的にはブドウ畑に向かないような条件のところだというから驚きです。また,将来の夢としてはブドウを種から育てたいということも考えているそうです。

既存の常識にとらわれず,我が道を進むRandall Grahm。後半にはAu Bon ClimatのJim ClendenenがGrahmを最も頭のいいワインメーカーと尊敬しているという話も出てきます。ぜひご一読を。