Au Bon Climat(通称ABC)というと10年前はCaleraと並んで日本におけるカリフォルニアピノの代名詞的存在でした。堀賢一さんの,ブラインドテイスティングでAu Bon Climatが出てロマネ・コンティと思う人が多かった(正確でないかもしれません)というエピソードがその人気の理由だったと思いますが,中でも一番人気だったのがIsabelle。ピノには珍しく単一畑ではなく,さまざまな畑のワインの中からいい樽を選んでブレンドしています。

かつては1万円以上したIsabelleも最近は現地価格並みの5000円程度,ときにはそれよりもさらに安く入手できるようになりました。というわけでいつのまにかセラーに何本か入っていたので,1本飲んでみることにしたわけです。

カリフォルニアのピノとしては酸が強く,タンニンもかなりあります。最初はちょっと取っ付きにくい感じです。時間が経つにつれて香りも味も立ってきます。スミレ系の香り,味わいはだんだん鰹節的な旨みが増します。やはりポテンシャルは高いワインです。ブラインドで飲んでブルゴーニュと思う人がいても不思議ではありません。ただ,もう少し熟成させた方が良かったかという感じはありました。