明けましておめでとうございます。2010年のカリフォルニアワインを振り返っていくつかトピックを取り上げたいと思います。特に順位は付けず,思いつくままにつらつらと。

●Twitterの普及
 このブログでTwitterについて書き始めたのは2009年からですが,当初はあまりの無反応に日本でワイン好きの方々にTwitter普及するのは遠いなあと思ったものです。2010年は日本のワイン関係のTwitterが急増しました。ワインショップや日本のワイナリーでTwitterを始めている人も結構います。@wassysさんなんかは上手に使っている感じがします。私のワイン関係の友人でもずいぶん増えました。Robert Parkerのアカウントができたのも2010年でしたね。彼の場合は双方向性はなく一方的につぶやくだけなのでちょっと特殊な使い方ですが。

●米国ワイナリではFacebookが人気?
 一方で,米国のワイナリなどでは2009年に比べるとTwitterの利用はあまり伸びていない感じがします。どちらかというとFacebookのファンページの方が利用が進んでいる感じがします。顧客の囲い込みという意味ではそちらの方が効果が出やすいのかもしれません。
 数年前にもてはやされたWine 2.0的なソーシャルメディア利用はちょっと影に隠れてしまった感があります。
 これからはUstreamのようなライブ感があるメディアの利用が増えてくるのではないかと思っています。

●iPhoneアプリ花盛り
 ワイン関係のiPhoneアプリというと当初はSnoothなどのワインポータルが中心でしたが,2010年にはワイナリがアプリを出したり,Napaのアプリが出るなど,軽い感じのアプリが増えました。この傾向は今後も続きそうなきがしますが日本へ波及するかどうかは不明です。

●Calera人気続く
 Caleraの人気が復活したのは2008年ころだったでしょうか。テレビ番組で紹介されたのがきっかけだったと思います。その後,dancyuの5000円以下ピノのベストにMt. Harlan Cuveeが選ばれるなどのトピックがあり,2010年には2007年ヴィンテージがWine Advocate誌で過去最高の評価を得ました。今は人気・実力ともいいレベルに来ている感じです。別記事で紹介する予定ですが,カレラの生産量の約1/4が現在日本で販売されているとのことで,日本市場はCaleraにとっても大事になっています。

●Opus One復権
 Opus Oneやオーパスワンで検索して来る人は2010年半ばから急増しました。指数関数的な急上昇です。特に2007年ものは評価が高いこともあり,2007との複合検索で来る人が多いです。Tim MondaviのContinuum(コンティニュアム)も人気高いです。

●2007年2008年と良ヴィンテージが続く
 2007年はカリフォルニアは全般によく,特にセントラルコーストのピノが軒並み高評価でパーカーも2007年は買ったほうがいいとツイートしていましたが,2008年もナパのカベルネなど高評価が続いています。今の現行ヴィンテージはいずれも良ヴィンテージといっていいでしょう。
 ただし,2009年は火事の影響は春の霜の影響で生産量が少なかったり,スモーキーなフレーバーが付くものがあったりと難しいヴィンテージだったようです。さらに2010年はこれまでで一番難しいヴィンテージだったという話もあるほど大変な年だったとのこと。2007,2008は狙い目かもしれません。

●Sauvignon Blancの当たり年?
 2010年は日本市場にカリフォルニアの良Sauvignon Blancが多く入ってきました。SpottswoodeやRochioli,さらにはAraujoなど。Pomeloなど低価格帯でのいいものも増えており,2~3年前にはSauvignon BlancはもうNZで決まりでいいんじゃない,といった雰囲気から様変わりしました。

●日照りの夏
 日本は2010年は酷暑でしたね。ワインセールスにとっては厳しい夏だったようです。

八つ目まで来たので末広がりということで,この辺で打ち止めにしたいと思います。今年もよろしくお願いします。